ドジャースはブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)第3戦(27日=日本時間28日)で、延長18回の死闘の末に6―5で劇的なサヨナラ勝ち。まさに総力戦となった試合はWS史上2番目となる6時間39分に及んだ。大谷翔平投手(31)は2本塁打を含む4打数4安打3打点、5四球(申告敬遠4)の9打席連続出塁。一夜で2試合分を戦った歴史的一戦を米メディアもユーモアたっぷりに報じたが「延長戦と勝利を呼ぶ男」もいたようで…。

 最後は昨年のWSのMVP男が決めた。延長18回の先頭打者となったフレディ・フリーマン内野手(36)が、相手9番手リトルの6球目を叩いてバックスクリーンへ。8回以降「0」だけが並んだスコアボードに待望の「1」を点灯させ、とんでもない消耗戦に終止符を打った。

 ドジャース側は10人の継投で、2日前に完投勝利した山本もブルペンで急きょ待機。ブルージェイズは12回でベンチ入りした野手全員を使い切り、決勝弾を浴びたリトルも最後の救援投手だった。大谷は9回の5打席目以降は全く勝負してもらえず、4打席連続の申告敬遠と四球。18回での決着は2018年のWS第3戦(ドジャース―レッドソックス)に並ぶ最長記録、試合時間は同試合の7時間20分に次ぐ2番目の長丁場となった。

 第2戦(25日=同26日)まではロサンゼルスと時差が3時間ある敵地トロントでの試合だった。ブルージェイズも同じ条件とはいえ、国境をまたいだ移動からの超長期戦は想像を絶する負担だ。ドジャースのベンチも空のペットボトルが山積みとなり、フルーツの盛り合わせが置かれてスミスはバナナをパクリ。先発したグラスノーも降板後にうっかりあくびをしてしまったほどで、ロバーツ監督は「間違いなく史上最高のWSの一つだった。選手たちは疲労困ぱいだよ」と笑った。

 通常の9イニングの2倍を戦う異例の試合を、米メディアの多くは「マラソンゲーム」と42・195キロのフルマラソンに例えて報じた。ただ、全国紙「USA TODAY」が「野球だけがつくり出せる悪魔のような煮込み料理」と表現したように、独特な言い回しでも伝えられた。

 米放送局「CBSスポーツ」は「あらゆる要素が詰まった一戦だった。ハリウッド映画さながらの長編」「ハリウッドからほんの数マイル離れた場所で最高のエンターテインメントを目的に描かれた脚本のような試合だった。終わりよければすべてよし」と描写した。

 また、MLB公式サイトは「延長戦を呼ぶ男」として、試合前に国歌斉唱を行ったカントリー歌手のブラッド・ペイズリーにフォーカス。それによれば、ペイズリーがドジャー・スタジアムで歌ったWSの試合が延長戦になったのは4度目だったという。

 内訳は昨年の第1戦(延長10回)、18年の第3戦(同18回)、17年の第2戦(同11回)、そして今回だ。異常なまでに試合が長引く傾向があるだけでなく、4戦3勝で「勝利を呼ぶ男」としても伝えた。

 一方、死力を尽くした末に敗れたブルージェイズ側はダメージが〝倍増〟だ。カナダの最大手紙「トロント・スター」は「ブルージェイズファンはドジャース戦を制する姿を見るため明け方まで粘った」と悔しげ。「トロント・サン」は「一瞬にして古典となった名勝負をどう評すればいいのだろうか」と悩ましげだった。

 4勝先取のWSを勝ち抜くことは簡単ではないが、ドジャースの連覇達成まであと2勝だ。