得点力不足にあえぐレンジャーズが5日(日本時間6日)にヤンキースのアーロン・ブーン監督(52)の兄、ブレッド・ブーン氏(56)の打撃コーチ就任を発表した。

 ブレッド氏はマリナーズでイチロー氏らとともに活躍し、2001年に打点王にも輝いた実績の持ち主。オールスターにも3度出場した経験があり、引退後はポッドキャストの配信などを行っていた。レンジャーズはMLB全体29位、ア・リーグ最低の113得点に低迷し、攻撃コーディネーターのドニー・エッカー氏を解任したばかりだった。

 打撃不振を打開するキーマンとして白羽の矢を立てられたわけだが、ブレッド氏はコーチとしてシーズンに常駐した経験は皆無だ。米メディア「FANSIDED」によると、ブレッド氏は「人生はどこで何が起こるか分からない」と驚きを隠せなかったという。それもそのはずで、レンジャーズのボウチー監督から電話をもらった際にはポッドキャスト番組出演に関する連絡だと思い込んでいたという。ところが…。

「本当に突発的な出来事だった。南カリフォルニア大学に行って始球式をやったんだ。そこで昔の仲間、マイケル・ヤングに会ったんだ。彼はテキサス・レンジャーズにいる。テキサス・レンジャーズにいるんだ…。家に帰ると電話が鳴っていて(レンジャーズの)ブルース・ボウチー監督からだった」

 母校で話したというヤング氏はレンジャーズでGM補佐を務めている。会話の詳細は明かされていないが「10分程度」。そのわずかな時間のやりとりが人生を大きく変えるきっかけとなったのだ。

 同メディアは「ボウチー監督はたった10分間の会話でブーン(ブレッド氏)が適任だと確信した」と指摘。シーズン途中から経験がないコーチに就任する点には不安も残るが「レンジャーズの攻撃力がこれ以上悪くなることはないだろう。地ーム打率2割2分8厘、出塁率2割8分5厘、長打率3割5分9厘だ」と〝あとは上がるのみ〟と分析した。

 それにしても「奇妙な話」と伝えたように、人生は何が起きるか分からない。

兄のアーロン・ブーン監督(ロイター=USA TODAY Sports)
兄のアーロン・ブーン監督(ロイター=USA TODAY Sports)