第96回選抜高校野球大会の第6日(25日)第2試合は星稜(石川)が八戸学院光星(青森)を3―2で下し、8強進出を決めた。

 エース・佐宗翼(3年)が9回7安打2失点で完投し、相手エース・洗平比呂(3年)との好投手左腕対決を制した。141球を投げ切った佐宗は「守備に助けられた。リラックスして自分のピッチングができたと思うし、気持ちだけは負けないようにした。コントロールミスや球数が多くなったのが課題」と振り返った。

 洗平を打ちあぐねた打線が6回に勝ち越し、ばらついていた制球を修正。エース左腕は「みんながつないでくれた。絶対に守り切るつもりだった。打席に立ってみて(洗平は)球の力がすごかった。投げ勝つというか、本当にいい投手というのは感じていた」と充実感たっぷりに汗を拭い、山下監督も「サウスポー対決ということもあって彼の将来のために、できるだけ頑張ってほしいという思いはあった」とねぎらった。

 明るい選手が多い中、物静かな佐宗は特別な存在だ。チームには伝統的に一発芸や先輩のモノマネを披露する「ワッショイ」という儀式があり、大きな大会前に行ってきた。指名された選手がウケるとそこで終了し、スベると別の選手が指名されるというルール。スベることで笑いを誘うのもOKで、寒い空気が何人も続くこともある。

 今回も数日前に宿舎のミーティング後に行われて盛り上がったというが、これに佐宗は一度も指名されたことがない。ある選手は「佐宗はやらないです。1回も指名されないし、あんま面白くないですから。意外な選手が出ることもあるけど、だいたい面白いやつが指名される。自分の時間を大切にするタイプだし、繊細な部分があるので…。これからもしないと思います」と気遣いを見せている。

 それでも「優勝したらやらせるかもしれないです」とニヤリ笑う選手も…。景気づけの儀式がV記念〝初ワッショイ〟となるかもしれない。