女子テニスの世界ランキング2位・大坂なおみ(23=日清食品)が26日(日本時間27日)、マイアミ・オープン(米フロリダ)の初戦となる2回戦で同77位のアイラ・トムリャノビッチ(27=オーストラリア)を7―6(7―3)、6―4のストレートで撃破。3回戦進出を果たすとともに、昨年8月から4大大会2連勝(全米&全豪オープン)を含む22連勝となった。

 感情むき出しの勝利だった。序盤からミスが目立ち、第1セットは先にブレークを許して追い掛ける展開。第8ゲームを落として3―5となった瞬間、ラケットをコートに叩きつけた。メンタルが安定した最近では珍しいシーンだった。しかし、ここから怒濤の反撃開始。4―5で迎えた第10ゲームではウイナーを連発して「カモン!」の雄たけび。第11ゲームでは3本のサービスエースを叩き込んでタイブレークに持ち込み、このセットを奪った。

 第2セットも我慢の展開は続いた。なかなかブレークできす、攻め切れない。だが、第9ゲームで相手のダブルフォールトに助けられてブレークすると、サービングフォーザマッチ(キープすれば勝利)の第10ゲームをきっちりものにし、1時間38分の激戦を制した。試合後のオンコートインタビューで「観客が入ってくれて良かったわ」とほほ笑むと、まばらな観衆から大きな拍手が沸き起こった。

 今大会は約1か月ぶりの公式戦。やや苦戦したものの13本のサービスエースが自身を救った。これで約7か月も負けなしという圧倒的な強さ。いまやコート外でも大きな影響力を持ち、今年に入ってスイスの高級時計「タグ・ホイヤー」、フランス高級ブランド「ルイ・ヴィトン」と契約するなど多数のスポンサーも抱える。

 大会前に公表された博報堂DYメディアパートナーズによる恒例の「アスリートイメージ評価調査」(2021年3月)の総合ランキングではフィギュアスケート五輪2連覇の羽生結弦(26=ANA)に次ぐ第2位。国内外から絶大な支持を得るだけでなく、試合前にはインスタグラムで恋人のラッパー、コルダエ(23)とラブラブショットを公開するなどプライベートも順風満帆だ。公私ともに充実し切っている女王に死角は見当たらない。