競泳女子東京五輪代表の池江璃花子(21=ルネサンス)が、ひと回りもふた回りも成長した姿を披露した。
 
 アジア大会代表選考会兼日本選手権初日(28日、横浜国際プール)の女子50メートルバタフライ決勝に出場した池江は、序盤から抜け出すと最後までリードを守って25秒49で優勝。派遣標準記録(25秒66)も突破し、アジア大会代表入りを確実にした。
 
 涙の数だけ強くなるのは本当の話だ。3月の国際大会代表選考会では、焦りから思うような泳ぎができず「今の自分にはネガティブな言葉しか出てこない」と大粒の涙を流した。代表選考会後も「1週間くらいはゆっくり泳いだりしたが、そこからなかなか気持ち的にも、体的にもなかなか上がってこなかった時期が1~2週間くらい続いた」と苦しい時間を過ごした。
 
「2018年とか自分が記録をバンバン出していたときは、何をしても速いときは速くて、アップをしなくても速いし、ダウンをしなくても速かった」。白血病発症前の自分とは違うと分かっていても、心の中でモヤモヤしている自分がいた。それでも、池江は負けなかった。「とにかく同じミスは繰り返さないと意識してトレーニングをしてきた」。根本にある生粋の負けず嫌さが池江を再び突き動かした。

「最終的に国際大会で戦うときは、タイムよりも順位が大事になってくる。私の中では順位を大事にしたいんだなと前回の試合で思った」。この日は勝ちたいという純粋な気持ちを貫いて優勝。「今自分のできる全ては出せたかな」と充実の表情を見せた。

 順風満帆ではないかもしれないが、一歩ずつ階段を上る池江。2年後のパリ五輪に向けて、覚醒の予感が漂ってきた。