競泳の日本選手権初日(3日、東京アクアティクスセンター)、男子400メートル個人メドレー決勝はリオ五輪金メダリストの萩野公介(26=ブリヂストン)が4分13秒32で優勝した。

 スタートのバタフライで3番手だった萩野は100メートルを通過後、背泳ぎでトップに立つとリードを保ったままフィニッシュ。「バタフライでちょっとバタバタしてしまうところがあって、泳ぎの面ではもっと改善できるところはあるけど、素直に勝てて、ある程度のタイムで泳げたことをうれしく思う」と充実の表情で振り返った。

 昨年2月に原因不明の不調で大きくタイムを落とし、無期限の休養に入った。その後はレースに復帰するも本来の実力とはかけ離れた記録が続き「(レースに)臨む前に怖くなってしまった」と漏らしたこともあったほど。それでも、地道にトレーニングが徐々に実を結び「1年前は自分の内面のことばかり考えて、つらさばかりが先に立っていたけど、今は前を向いて泳げている」という。

 10月から約1か月間行われた国際リーグ(ISL)では、短水路の同種目5試合ですべて1着となるなど結果も伴ってきた萩野。また、この日のタイムは1年延期となった東京五輪の派遣標準記録をクリアしたが「このタイムで代表に決まるとは思っていない」とまだまだ満足していない。

 来夏の会場で頂点に立った萩野は「これからも自分に自信を持って泳いでいきたい」とさらなる進化を誓った。