リオ五輪競泳男子400メートル個人メドレー金メダリストの萩野公介(25=ブリヂストン)が、東京五輪へ崖っ縁に立たされている。五輪代表選考会を兼ねた日本選手権(4月1日開幕、東京アクアティクスセンター)に向けて最後のレースとなったコナミオープン(15、16日、東京辰巳国際水泳場)では、得意の個人メドレー2種目で完敗。長期休養から復帰した後もタイムが伸び悩む上に、課題も克服できていない。果たして“ミラクル”な復活はあるのか、今後を探った。
コナミオープンでは400メートル個人メドレーで4位、200メートル個人メドレーでは2位に終わった。萩野は「前向きに全力でやれたかな」と語ったが、結果を残すことができなかった。
振り返れば、歯車が狂い始めたのはくしくも昨年の同大会だった。400メートル個人メドレー予選で自己ベストより17秒以上遅い4分23秒66を記録し、決勝を棄権した。その後、不調で長期休養に入り同8月のW杯で復帰したものの、先月の北島杯は200メートル自由形で10位に終わり、個人メドレー2種目は回避する事態になった。
一方、萩野はその間にシンガー・ソングライターのmiwa(29)と結婚して昨年末には第1子が誕生。新たな家族が自身を奮い立たせる存在になるかと思われたが、かつてのタイムを取り戻せない状態が続き、ネット上では批判にさらされたこともあった。
いったい、どうすれば立ち直れるのか。水泳関係者は「今を『正念場』ととらえているかは、萩野にしか分からないこと。これから本人が周囲のコーチたちとどうやっていくべきか考えればいい」。泳ぎの技術うんぬんではなく、あくまで萩野本人の“気持ちの問題”ととらえている。逆に言えば、不振の原因とされてきたメンタル面の課題は、ここに至っても改善されていないということだ。
今後は日本選手権に向けて出場種目の選択を迫られることになる。個人メドレーは2種目とも日本水連の五輪派遣標準記録に達していないのが現状で、萩野は平井伯昌コーチ(56)と相談し「400(メートル個人メドレー)に出る出ない、どの種目に出る出ないとか、まだ考えるところはある」という。
五輪王者としてモチベーションを保つのは容易ではなかったが、焦りも生まれたこの状況から気持ちを切り替えるのも難しい作業と言える。ライバルの瀬戸大也(25=ANA)は「また一緒に日本代表として戦いたい。4月(日本選手権)が少しでもいい結果になるように、自分は見守りたい」とエールを送る。残り2か月もない中でミラクルを起こせるのだろうか。注目が集まる。












