アジア初開催となるラグビーW杯の日本大会開幕(2019年9月20日)まで8日で500日前となった。注目は15年イングランド大会で強豪・南アフリカ撃破の原動力となった元日本代表FB五郎丸歩(32=ヤマハ発動機)の“処遇”だ。日本代表ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC=48)がスーパーラグビー(SR)の日本チーム・サンウルブズのHCを兼任。W杯に向けて選手強化を進める中、前回大会でベストフィフティーンに選ばれた五郎丸は日本代表、サンウルブズに一度も加わっていない。

 主将を務めたFLリーチ・マイケル(29=東芝)ら“15年戦士”の主力は現在も代表の中心メンバーとして活動しているが、なぜ五郎丸は招集外なのか。ラグビー関係者は「ジョセフHCはFBにも松島(幸太朗=25、サントリー)のようにCTBやWTBもこなせる走れるタイプが好み」と指摘。そのためFBオンリーで走力に劣る五郎丸はジョセフジャパンでは構想外となっているという。五郎丸の代名詞と言えるキックに関しても、SO田村優(29=キヤノン)の台頭でどうしても外せない状況ではない。

 ただでさえ厳しい上に、五郎丸のメンタル面も整っていない。エディー・ジョーンズ前HC(58=現イングランド代表HC)が15年大会前に課したような過酷なトレーニングをやり抜けるかどうかに迷いがあるという。五郎丸は前回大会の500日前について「死んでましたからね」と苦笑いで振り返るほど。ハードな練習をやり抜く覚悟が決まらない限り、代表復帰を熱望するわけにもいかず「どうなんですかね」などと明言を避けているのが現状だ。

 自国開催のW杯は日本ラグビー界随一の人気者がプレーしないまま終わってしまうのか。