「安定して力を発揮できるか…」渋野日向子 復活Vでも消えぬ“雑音”

2021年10月11日 05時15分

アンチ根絶なるか(東スポWeb)
アンチ根絶なるか(東スポWeb)

 目指せアンチ根絶――。国内女子ゴルフの「スタンレーレディス」最終日(10日、静岡・東名CC=パー72)、68で回った渋野日向子(22=サントリー)が、通算10アンダーで並んだ4人のプレーオフ(PO)を制して1年11か月ぶりの通算6勝目(国内通算5勝)を挙げた。スイング改造の批判もなんのその、〝鉄の意志〟が不安説を一蹴。その一方で、この強い気持ちが欠点にもなりかねないとの指摘もあり、復活優勝に続くプラスアルファの活躍が求められている。

 セーフティーなゴルフを心掛けた前半で1つ伸ばして迎えた10番パー3でボギーをたたき「ヤバいと思って気合を入れた」。一気にギアを上げると、残り8ホールで5バーディー(1ボギー)として暫定首位でホールアウトし、アマチュアの佐藤心結(さとう・みゆ=明秀学園日立高3年)、木村彩子(富山常備薬グループ)、ペ・ソンウ(韓国)とのPOに突入した。

 18番パー5が舞台のPOでもショットが光った。1ホール目の3打目をピン奥からバックスピンで戻して30センチにつけるスーパーショット。2ホール目も1・5メートルにつけ、優勝が決まると涙を流した。正規のラウンドも含めてこの日の18番は全てバーディーを奪取し「今までスイング改造を行ってきた集大成が18番の全てのショットで出たと思う」と自信をにじませた。

 そんなスイング改造は今年から着手。当初は飛距離がガクンと落ち、方向性も安定しない状態だったこともあり、ゴルフ界では反対意見が多数を占めた。それでも正しい道だと信じて疑わず、周囲の〝雑音〟すら力に変えた。「嫌でも耳に入ってきていた。それでも新しいスイングで勝ってあーだ、こーだ言っていた人を見返したい気持ちがあった。そういう気持ちを片隅に置きながらやっていた」

 誰がなんと言おうが、お構いなしの姿勢。ネット中継の解説を務めた〝レジェンド〟の樋口久子氏(75)は「周りに(スイング改造を)心配されてここまでやってきたけど、普通なら心が動いてしまう」と評価するほどだが、欠点になり得ることもあるという。あるベテランツアー関係者は「コーチをつけずに自分の考えでここまでやったのは素晴らしいが、全てそれでうまくいくとは限らない」と指摘した。

 続けて「渋野さんのパットとアプローチの打ち方を見ると安定して力を発揮できるか疑問を感じる。そういうことに詳しいコーチに習った方がいいし、困ったときに客観的に教えてくれる人がいれば調子を落としたときの復調も早くなる」。2019年の「AIG全英女子オープン」覇者だけに〝平場〟の復活優勝だけでは物足りないというわけだ。こうした懐疑的な見方は、さらなる結果で封じるしかない。

 もちろん本人も現状で満足しているわけではない。今後に向けて「上位で争いたい気持ちもあるけど、毎週予選通過をできるようにしたい」。言葉こそ控えめだが、12月には来季からの参戦を目指して米ツアー最終予選会に挑むのは上昇志向の表れ。女子ゴルフ世界最高峰の舞台での活躍は、〝アンチ撃退〟の近道になりそうだ。

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