カリフォルニア州のTPCハーディングパークで開催中の今季メジャー初戦「全米プロ」2日目のリーダーズボードを見ると、ザック・ジョンソンが通算2オーバーの81位と、通算21オーバーの最下位で予選落ちしている。

 えっ、どっちが本当? いや、どっちも本当。これは誤植ではなく、れっきとした公式記録。では、いったいどういうことなのか? 実は今大会には2人の「ザック・ジョンソン」が出場していたのだ。

 カットラインに1打及ばず81位で予選落ちとなったのは、2007年の「マスターズ」と15年の「全英オープン」を含むツアー通算12勝を挙げているザック・ジョンソン(44=米国)。初日は66で回って3位タイの好発進をしながらも、2日目はバーディーなしの4ボギー、1ダブルボギーの76と崩れてしまい、まさかの予選落ちとなってしまった。

 そして最下位となったのは、普段はソルトレークシティー(ユタ州)のゴルフ場でクラブプロとして働いているザック・ジョンソン(37=米国)。

 英語のスペルも全く同じとあって、メジャー2勝の〝本家〟への郵便物やメールが間違えて届けられることもしばしば。過去には09年「ソニー・オープン」で優勝した記念の、額入りスコアカードまで送られてきたことがあるという。そのため今大会では区別するために「ザック・J・ジョンソン」と表記された。

 2人は、クラブプロのザック・ジョンソンが初出場した2年前の大会で対面済み。その時はロッカールームで「ハイ、俺がザック・ジョンソンだ」「いや、俺がザック・ジョンソンだ」と冗談を言い合ったそうだが、今大会の開幕前日には、面倒見のいいことで知られるメジャー覇者のジョンソンが声をかけ、一緒に練習ラウンドを回ることが実現した。

 残念ながら、揃って2日目で大会を去ることになってしまったが、いつかは本戦で一緒に回る光景を見てみたいものだ。