ロシアのフィギュアスケート界で〝皇帝〟と称されるエフゲニー・プルシェンコ氏が〝ロシア軍礼賛〟と物議を醸したアイスショーを今週末も予定どおり開催し、反発している選手にも出場を〝強要〟する方針を示した。

 ロシアメディア「ソビエトスポーツ」はプルシェンコ氏が9日に開催したアイスショーがウクライナに侵攻しているロシア軍を称賛する趣旨だったとして波紋を広げている様子を報道。

「スキャンダラスなショーがトゥーラで行われた。ユニオン・オブ・チャンピオンズと呼ばれる公演は愛国的なコンサートの一部となり、事前に知らされていなかった多くのスケーターから反感の声が上がった」と伝えた。

 このイベントに参加した元世界女王のエリザベータ・トゥクタミシェワは自身のテレグラムで「私はスポーツが政治の外にあると本当に信じたかったが、今日そうではないことが分かった」と怒り。

 ペアで欧州女王のアレクサンドラ・ボイコワも自身のテレグラムで「ショーの前に誰もイベントについて知らなかった! (ロシア軍礼賛は)私たちの考えには当てはまらない!」と批判するなど、プルシェンコ氏に反旗を翻す選手が相次いでいる。

 そのため、16日に大都市サンクトペテルブルクで予定されている同じアイスショーが開催されるのか疑問視する声も上がっているが、主催するプルシェンコ氏はロシアメディア「メタレーティング」にこう断言した。

「もちろん、全員が参加だ! (開催は)まったく問題はない。すべてのアスリートが参加する」。ショーの開催強行とともに、反発する選手たちも全員が参加することを強調。参加を拒否する選手がいても契約を盾にしてドタキャンは認めず、出場を強制する方針だ。

 再び政治色の強いアイスショーが開催されれば波紋が広がることは必至だ。