安藤美姫 反響呼んだ「誹謗中傷根絶」ツイート あえて “矢面” に立った真意は…本人を直撃

2022年01月12日 11時30分

インタビューに応じた安藤美姫(東スポWeb)
インタビューに応じた安藤美姫(東スポWeb)

 フィギュアスケートの元世界女王がSNSユーザーに〝緊急警告〟だ。北京五輪代表選考会を兼ねた全日本選手権が行われた昨年末、プロスケーターの安藤美姫(34)は自身のツイッターに長文を投稿。選手に対する誹謗中傷をやめるように訴えた。ネット上での中傷行為が社会でも大きな問題となる中、あえて批判覚悟で警告を発した意図は何だったのか? 本人を直撃して真相を聞いた。


 ――突然のツイートに驚いた人も多い

 安藤 正直、いろんな経緯があったんです。ツイッターでは柔らかい表現で「ネガティブな発言」って書きましたが、実際は中傷に近いものが選手に向けられていました。私は多くのスケート関係者や応援してくださっている方をフォローさせていただいているので、そういうところから(誹謗中傷が)流れてきて、私自身も選手への心ない言葉を目にしました。検索しなくても目に入ってきてしまうんです。それが嫌で、個人的な意見を書きました。

 ――代表選考や演技に関する批判だったのか

 安藤 そうですね。選ぶのは選手ではなく、日本スケート連盟の関係者が会議にかけて選考するもの。だから絶対に(中傷は)選手に向けるべきじゃないと思います。それに完璧な人間、失敗しない人間はこの世に一人もいない。応援してくれる人たちの期待に、結果だけ見たら応えられなかった選手もいる。何があるか分からないのが人生。だからこそ人間味があるし、幸せな感情も悔しさもシェアできるのがスポーツの良さだということを分かってほしかったんです。

 ――批判を受けて立つ覚悟を感じた

 安藤 もちろん批判されるリスクはありましたが、もう私はフィギュアスケーターとして失うものはない。現役を退いた立場として、どうやって今後のフィギュア界をサポートしていけるか? そんな自分の役目を考えた時に、あの行為になったんだと思います。ただ、今回は全く批判されることはなかったですね。

 ――ご自身も現役時代は苦労した

 安藤 私の時代はSNSではなく手紙でした。それこそ何度も悩みました。今はフィギュアだけにとどまらず、他のスポーツ界でもSNSが大きな存在になる。ちょっとしたことで悪い結果を生んでしまう。一人でも(自身の投稿を)目にして、心にとどめてくれる方がいて、SNSがもっと温かい場所になったらいいなという思いも込めました。

 ――批判されることは怖くないのか

 安藤 もう「批判」という形で受け止めなくなりましたね。同じ言葉を発信しても、全く違うとらえ方をする人もいます。もうそれはしょうがないと割り切っています。たとえネガティブな言葉であっても、その方が受け取った思考、感情なんだなって。19歳のころには、そう考えるようになっていました。いろんな経験をしてきたので(笑い)。

 ――中傷に苦しむ人はどう乗り越えればいいか

 安藤 そればっかりは自分で考え、乗り越えるしかないと思うんです。私の場合は「壁」を作ることで自分を必死で守っていました。とにかく当時はその方法しか考えられなかった。それで人を信じなくなりました。でも、それが自分を確立する唯一の手段だったんです。人によって状況はさまざまなので、乗り越え方は他にもあると思います。私自身は今、人とのつながりを大切にするようになりました。やっぱり出会える人って世界中でひと握り。何かの縁があって同じ時間、同じ空間をシェアできると思うので、それを大事にしていきたいですね。


【反響を呼んだ6度の投稿】安藤は先月30日にツイッターを更新。「いろんな事を言われるかもしれないのを覚悟して伝えてさせてください!」と記し、6回にわたって長文を投稿した。

 北京五輪代表選考会の全日本選手権終了後には、特定の選手に対する誹謗中傷がSNSで飛び交ったといい、安藤は「ネガティブな言葉はSNSでつぶやかないでほしい…」「私みたいにそれを乗り越えれる選手ばかりじゃないと思う…」「強い人間ばかりじゃないんです…」「言われた方は心にずっとその心ない言葉を背負っていかなきゃいけないんです…」(原文ママ)などと訴えた。

 このツイートは大きな反響を呼び、ユーザーからは「勇気ある発言をありがとうございます」「まっすぐな心、本当に尊敬します」と賛同の声が上がっていた。

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