フィギュアスケートのNHK杯(大阪・東和薬品ラクタブドーム)でアイスダンスデビューを飾った高橋大輔(34=関大KFSC)、平昌五輪代表・村元哉中(27=関大KFSC)は連日、ファンとメディアの注目を集めた。

 結果は3組中3位。今年2月から本格的に取り組んだことを考える「上出来」との見方もできるが、課題はたくさんある。アイスダンスは男性が女性を抱え上げる「リフト」、多回転同時ターン「ツイズル」など一体感が必須。シングルと違って一人の努力ではどうにもならない。フリーでミスが目立った高橋は試合後に「2人でやっているので。やっぱりシングルの時に比べると、常に神経を使っていると思います」と話していた。

 今後は12月の全日本選手権(長野)を経て、最大の目標は2022年北京五輪。それには他のカップルにない圧倒的な強みをつくらないといけない。村元は「今回のデビュー戦でやっとスタート地点に立てた。これからチームとしての良さが分かってくるんじゃないか。2人ともいろんな世界を経験してきていると思うので、経験値としてはすごい強みになると思います」と話したが、シングルで世界の頂点に立った高橋はどう感じているのか。

「そうですね、難しいな(笑い)。まあ、今回のNHK杯で僕たちを見てくれた方々が、僕たちのスケートの印象をどこかのタイミングで教えてくれたり、メディアの方もそうですけど、そういった方たちが自分たちのスケートで何を思い描くのかを聞いて、自分たちもそれを感じていくんじゃないかと思います」

 今大会は久々に有観客で行われた。テレビではアイスダンスが生中継される異例の対応。生まれ変わった〝大ちゃん〟を目撃した多くのファンへ問いかけるように、新たな世界観を模索していく。