陸上界の次世代ヒロインとして注目を集める不破聖衣来(拓大2年)が、大学ナンバーワンを決める大会でどんな見せてくれるのか――。

 大学デビューとなった昨季は、全日本大学女子駅伝の5区で区間新記録を樹立するなど、出場したすべての駅伝で好走。トラックでも1万メートルで日本歴代2位となる30分45秒21をたたき出し、陸上関係者から驚きの声が相次いだ。

 一部陸上ファンから早くもマラソン転向を期待する声も聞かれるが、2024年パリ五輪はトラック種目で出場を狙う方針。その第一段階として世界選手権(7月、米国)の切符獲得を目指している。すでに世界選手権の参加標準記録(31分25秒00)は突破済み。代表選考会を兼ねた1万メートルの日本選手権(5月7日、国立競技場)で3位以内に入れば代表に決まるものの、本人に慢心はない。

 17日には日本選手権へ向けた調整の一環として日本学生個人選手権(レモンガススタジアム平塚)の5000メートルに出場。小林成美(名城大4年)など、学生屈指の実力者がそろうレースで、現在の状態を確かめる。

 1月の全国都道府県対抗女子駅伝後には「まずは世界選手権が一つの大きな目標です。その先にパリ五輪があって、もっと先も見ていきたいと思います」と語っていた。未来へと大きく羽ばたくためにも、まずは最初の大一番となる日本選手権から結果を残す。