「全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)」(1日、群馬県庁発着=7区間、100キロ)で2年連続4度目の優勝を狙った富士通は12位に終わった。

 今年も優勝候補だったが、3区で11位に浮上すると、エース区間の4区で一気にV圏へと躍り出る計算も、東京五輪マラソン男子代表の中村匠吾が区間26位に沈んでしまい、19位に順位を落とす。巻き返しを期待された5区のマラソン日本記録保持者の鈴木健吾も、区間10位と伸び悩み、14位に浮上するのがやっと。結局、そこから2つ順位を上げるにとどまった。

 大会前の先月16日に、優勝旗の紛失を発表。昨年大会後、優勝旗を預かってから同社本社ビルで複数回にわたって保管場所が変わっていたことから、紛失、誤廃棄、盗難などの可能性を含めて調査、捜索したものの、現在も発見に至っていない。前代未聞の優勝旗のない大会にしてしまった波紋は陸上界を超えて大きく広がり、選手に落ち度はないとはいえ、100%の力を発揮できる状況ではなかったのかもしれない。

 大会は創部51年目のホンダが初優勝。主将の設楽悠太(30)を補欠に回して若いメンバーで臨んで悲願を達成した。アンカーを務めた土方英和は「ここで満足せず、2連覇、その先も優勝できるようにやっていきたい」と先を見据えた。