箱根のヒーローがまさかの淫行だ。神奈川県警は19日に17歳の女子高生にみだらな行為をしたとして、県青少年保護育成条例違反などの疑いで、駒沢大4年の石川拓慎容疑者(21)を逮捕した。今年1月の箱根駅伝では最終10区で力走し、奇跡の逆転優勝の立役者となったが、大会直前になんと女子高生をラブホテルに連れ込んでいたというから、日本中が騒然となった。〝常勝軍団復活〟が期待される名門の未来にも暗雲が垂れ込めてきた。この背景にはいったい何があったのか?

 全国の駅伝ファンから悲鳴が上がった。神奈川県警によると、石川容疑者は昨年10月に駒大の寮でマッチングアプリを使用して、女子高生と知り合った。その後、昨年12月20日と今年1月17日に川崎市多摩区と東京・世田谷区のホテルで、18歳未満であることを知りながら、みだらな行為をした疑いが持たれている。

 石川容疑者は調べに対し「少女が高校に通っていることは知っていたが、18歳だと思った」「交際をしていた」などと供述しているが、ある駅伝ファンは「まさかですよね。ヤバすぎますね」と顔をしかめた。

 石川容疑者と言えば、1月の箱根駅伝10区で戦後最大となる3分19分差をひっくり返して、駒大を13年ぶり7度目の総合優勝に導いたのは記憶に新しい。駒大は2002~05年に史上5校目となる総合4連覇を達成。08年にも総合優勝を果たし〝平成の常勝軍団〟と呼ばれたが、その後は総合優勝から遠ざかり、18年には総合12位に沈んだ。大八木弘明監督(62)の「スパルタ指導」に限界の声も聞かれる中、SNSで連絡が来ても電話をかけ直したり、サウナで対話を重ねるなど、イマドキの選手たちに合わせた指導法で名門を復活させた。

 今年の箱根駅伝出走メンバーのうち、石川容疑者を含めて9人が3年生以下(当時)で構成。レース後には、大八木監督が「それこそ3大駅伝(出雲、全日本、箱根)は取りに行きたい感じはする」と自信をのぞかせており〝令和の常勝軍団〟へ順調なステップを踏んでいた。

 しかし、今回の事件で状況は一変。駒沢大の広報担当者は「報道で今回の件を知った。事実確認中です」と話したが、最悪の場合は大八木監督の処遇に関わる可能性もあることから、ある陸上関係者は「大八木監督がクビになったら、駒沢が終わってしまう」と表情を曇らせた。

 その一方で「駅伝人気がこの事件につながったのでは」との意見もある。別の駅伝ファンは「近年は大学駅伝選手の女性ファン『エキジョ』が増えています。AKB48じゃないですが『会いに行けるアイドル』的な存在で、人気選手には多くのエキジョがいるんです。中にはファンレターと称してラインのIDを渡し、返信があった選手と会ったり、飲み会を開いたという話も聞きますね」と話す。

 もともと石川容疑者は陽気な性格で、駒大陸上部が運営するインスタグラムで箱根駅伝のメンバーを紹介した際には、変顔をしながら色紙に「区間賞で単位ください」と記していた。すると、優勝後にはネット上で「単位をあげてください」「石川拓慎選手の走りは素晴らしかった」との声が相次ぐなど、一躍注目選手に駆け上がった。

 本来、マッチングアプリを18歳未満が使用することはできないが、女子高生は当初石川容疑者に18歳だと伝え、その後に17歳と明かしていたという。とはいえ、石川容疑者が逮捕されたのは事実。今後駒大はどのような判断を下すのだろうか。〝国民的行事〟とされる箱根駅伝のスターの大醜態だけに、スポーツ界全体への影響も大きい。