思わぬ意見が出た。全日本柔道連盟(全柔連)は14日、オンラインで強化委員会を開催し、10月の世界選手権(ウズベキスタン・タシケント)の男子補欠、9月のアジア大会(中国・杭州)の男子代表が選考した。

 各階級ごとに原案が出され、60キロ級は永山竜樹(了徳寺大職)、66キロ級は田中龍馬(筑波大)、73キロ級は大野将平(旭化成)、81キロ級は佐々木健志(ALSOK)、90キロ級は村尾三四郎(東海大)、100キロ級はウルフ・アロン(了徳寺大職)が選ばれたが、議論の中で複数の選手について出席者から〝物言い〟がついた。

 まず注目の60キロ級について、一人の委員は「私は古賀もあったんじゃないかと思う」と提言。古賀玄暉(旭化成)は全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)でオール一本勝ちで優勝しており、他の委員からも「古賀選手は内容が良くて優勝した。これを評価しないと選考の重みがなくなる」との意見が出た。最終的に多数決で永山が13票、古賀が7票となって原案通りで決着。鈴木桂治監督は「2月のグランドスラム(GS)パリ大会の優勝が大きい。戦う場は海外。対外国人の成績が永山選手の選考理由に挙げられる」と説明した。

 一方、東京五輪100キロ級金メダルのウルフ・アロン(26=了徳寺大職員)に関しては辛らつな意見が噴出。全日本選抜をケガで欠場したことで、委員からは「テレビで活躍するのも大切で、すごく柔道界に貢献してくれていますが、一方で本人のモチベーションや思いが本当に8月に向いているのか疑問」「もう芸能人になったのかって話も私の耳に入ってきます」など厳しい声が上がった。

 ウルフは五輪後にテレビやイベントに多数出演。多忙を極めて体重が激増した経緯があるだけに「東京五輪金メダルのみ」の選考理由に懐疑的な意見は少なくなかった。これに対し、ウルフ支持派は「ケガは診断書も出ているのでウソ偽りはないと信じている」「(今後は)テレビでの活動を少し控えて、柔道に専念すると本人も話していた」「しっかり準備していました」と擁護。結局、原案が通ってウルフの選考が認められた。

 議論の後、鈴木監督は会見で「(ウルフは)五輪金メダル以降は参加していないが、まずはケガをしっかり治すこと。モチベーションが大切になるので、そういった環境をつくり、さらなる強化に向けてサポートすることを話し合って選出した」と話した。