東京五輪で女性アスリートの〝テストステロン問題〟が拡大している。

 陸上女子800メートルで五輪2連覇を果たしたキャスター・セメンヤ(30=南アフリカ)は男性ホルモンのテストステロン値が異常に高いとして、400メートルから1マイルの各種目への参加が禁止に。国際陸連は経口避妊薬の接種やテストステロン抑制注射により値を下げることを提案したがセメンヤは拒否し、現在係争中となっている。セメンヤは禁止レースの対象外となっている5000メートルの予選に参加したが東京五輪の出場権を得られなかった。

 こうしたセメンヤと同様のケースが東京五輪を前に続々と発覚して波紋を呼んでいる。

 米紙「テキサカーナガゼッタ」は「この問題はセメンヤだけで消えることはない。ナミビアの2人の18歳の女性アスリートが医学的検査を受けた後、テストステロン値が高いことが発見されたため東京五輪の400メートルでの競技を禁じられた。そのうちの1人、クリスティン・エムボマは20歳未満の世界記録保持者だ」と報道。メダル候補の選手が出場禁止になった。

 さらに「2016年の五輪でセメンヤに次ぐ2、3位となった2人のランナーであるブルンジのフランシーヌ・ニヨンサバとケニアのマーガレット・ワンブイは、テストステロン規制の影響を受けている。医療措置を受けない限り800メートルの出場が禁止されると語っている」と指摘。男性並みのテストステロン値を持つ女性アスリートの出場問題は今後さらに議論を呼びそうだ。