J1FC東京のアルベル監督(54)が国立競技場の本拠地化を実現すべく大熱弁を振るった。

 29日に行われたG大阪戦は〝新国立〟となってから初めてのリーグ戦開催。歴史的な一戦に4万3125人の大観衆が押し寄せる中、FC東京が2―0で快勝した。試合後、スペイン人指揮官は「このスタジアムは我々クラブの将来を担っている。今後ここをホームスタジアムにできることを願っている」。首都クラブとして本拠地化を猛アピールした。

 アルベル監督は長年在籍したバルセロナでの体験を踏まえて、国立競技場の有効活用を力説する。「オリンピックスタジアムというのは、どの国、どの街でも問題を抱えるものだ。1992年のバルセロナ五輪で使われたスタジアムも長い間放置されたままだ」とズバリ指摘した。

 東京五輪を終えた国立競技場の後利用に関して、政府は当初トラックを撤去して球技専用とする方針だった。しかし、その後に陸上との兼用競技場としてトラック存続へ方針転換。現在も検討が続く中、文科省は2020年度の運営が約9億円の赤字で今後は維持管理費として約10億5000万円かかる見通しを示している。

 その問題を解決するのがFC東京の本拠地化というわけだ。この日の試合で集客力を証明しただけに、アルベル監督は「新国立を一番いい形で活用できるのはFC東京ではないだろうか」と自信満々。「できれば首相と話をして解決策を見いだしていただければ。一度夕食でもしながら問題を解決しましょう」と岸田文雄首相への直談判も辞さない覚悟だ。今後の動きに注目が集まる。