元日本代表の播戸竜二Jリーグ特任理事が語る日本サッカーの未来 カズ&クボタケの海外資産を伝え続ける

2020年09月03日 11時30分

 元日本代表ストライカーの“Jリーグ改革”とは――。昨季で現役を引退し、今年3月にJリーグの特任理事に就任した播戸竜二氏(41)が本紙のインタビューに応じ、新型コロナウイルス禍のリーグ運営や自身が見据える野望を熱弁。今後の日本サッカーを盛り上げるために、若手育成プランとして“カズ・クボメソッド”を提唱するとともに海外でプレーするスター選手たちのJ復帰を呼びかけた。

 ――2019年に現役を引退し、間を置かずに特任理事に就任した

 播戸 21年間Jクラブと契約して働いて、それが終わった後、ビジネス方面の方と接した。そしてサッカーの仕事をしたいとなったとき、現場以外を勉強してみたいと強く思った。引退するときに「(Jリーグの)チェアマンになりたい」と決め、2月に(チェアマンの)村井(満=61)さんと話をした際に「特任理事に」という話をいただいて、二
つ返事で「やります」と。

 ――就任後、コロナ禍となり、理事会で選手目線の意見を発信する

 播戸 大変な時期に参加させていただいて勉強させてもらっている。社外理事の方もいて知見も聞ける。最初はもう少し選手の思いもくんでほしいと思ったが、今はすごく選手のことも考えてくれて距離も近くやれている。うまく形づくりができている状況だと思う。

 ――リーグは過密日程で若手の出番も増えた

 播戸 特にGKのチャンスのもらい方が半端ない。今まではなかなかできなかった。若手からすると本当にチャンス。出ることによってグッと伸びる選手もいる。それを見ると監督やクラブも、来年以降に降格があっても若手をどう育成していくのかを強く考えないといけない。

 ――Jリーグも若手の育成を考えるべきだ

 播戸 選手一人ひとりの人間的な成長も大事になる。例えば、今まで海外に行った選手で成功した人、しない人、Jリーグで実績を残してから行ったほうがいいのか。向こうに行って言葉を話せてコミュニティーにどう入るかとか。そういう体験例をうまく言語化してちゃんとしたデータを取って、次の若い世代に提示してあげたい。

 ――MF久保建英(19=ビリャレアル)は若くして活躍している

 播戸 彼の場合はプレーもさることながら若いうちにスペインに行って、メンタリティーも含めてグローバルだよね。考え方もあるし、言葉を話せるのもある。そう考えると、若い時に海外での経験を積むとか、それと同等の経験が必要。家族のサポートも必要だが、間違いなく一つの成功例だと思う。カズさん(FW三浦知良=53、横浜FC)も15歳でブラジルに行ったわけで、そういうのも踏まえてうまく継承していく必要がある。

 ――Jリーグの空洞化も心配だ

 播戸 出ていってレベルが高くなるのも大事だし、できれば海外に出た選手はまたJリーグに帰ってきてほしい。香川真司(31=サラゴサ)とか吉田麻也(32=サンプドリア)、長友佑都(33=マルセイユ)、(本田)圭佑(34=ボタフォゴ)も、もう一回帰ってきてJリーグを盛り上げてほしい。そういうサイクルができたらいいね。

 ☆ばんど・りゅうじ 1979年8月2日生まれ。兵庫県出身。地元の琴丘高から98年にG大阪に入団した。2000年の札幌入り以降は、神戸やC大阪などを渡り歩き、18年シーズン後に所属が決まらず、引退を決意。19年9月にG大阪と1日契約し、引退式を行った。U―20日本代表として99年世界ユース選手権で準優勝し、日本代表は7試合2得点。現在はJリーグ特任理事を務める。171センチ、67キロ。