森保ジャパンの新星候補が、入団前にプロ入りが瀬戸際の中で意外な〝内定先〟があったことを明かした。

 20日にウェブ上で取材に応じたJ1FC東京のDF中村帆高(22)。大卒ルーキーながらFC東京でレギュラーの座を勝ち取り、来夏の東京五輪に向けて森保一監督(51)から新戦力候補として指名されるなど、瞬く間にスターダムへとのし上がっている。ところが、当初はプロ入りを考えていなかったという。

「自分はサッカー選手になる予定じゃなかったので、ずっと就活をしていた。大学4年の初めには内定をもらっていた。住宅の販売をする予定だった。そっちの道で良い営業マンを目指してやっていたと思う」と中村は〝もう一つの人生〟を明かす。

 日大藤沢高時代に目立った存在ではなく、卒業とともにサッカーも辞める予定だったが、同僚の付き添いのつもりで明大サッカー部を〝記念受験〟すると合格。大学で実績を残したが、今度こそユニホームを脱ぐつもりで就職活動に奔走し、見事に内定まで勝ち取っていたのだ。その後、FC東京の入団が決まると1年目から大活躍で、今では東京五輪の大舞台を狙える存在に。

「高校時代とか無名だった頃を考えると、人生は何があるか分からないなと。一つだけ言えるのは、どんな状況に置かれても目の前のことは全力でやってきた。その日々の積み重ねが、道を開くきっかけになるのかな。それは自分の経歴が証明できたと思う。自分なりにまた道を切り開いていきたい」と中村。何度も岐路に立ちながらサッカーとの縁が切れなかったシンデレラボーイが、さらなるブレークで周囲を驚かせるか。