引退か現役続行か――。〝黒いカリスマ〟こと蝶野正洋(58)が、ゼロワンの〝炎の戦士〟大谷晋二郎(49)に二者択一を迫った。

 ゼロワンの親会社「ダイコーホールディングスグループ」が主催する「押忍プレミアム興行」(4月10日、東京・両国国技館)は同団体の「20周年&21周年記念大会」として行われ、蝶野が大会アンバサダーを務める。「創設者の橋本真也選手は闘魂三銃士の盟友だし、新たな門出を見届けてあげたい。ゼロワンが生まれ変わるきっかけになれば」と期待をかける。

 ただし気になるのが団体の象徴、大谷だ。昨年9月の試合中に「左前腕両骨骨折」を負い長期欠場を続けている。蝶野は「両国に出場する選手は21年の中でゼロワンと関係を持ってきた選手。一番頑張ってきた大谷選手が欠場中だが、晩年のキャリアの選手が事務業務と兼任するのは難しい。もう十分やってきたんだし、(今年がデビュー)30周年でいい機会だし、両国という大舞台もある」とした上で「選手に専念するのか、事務方をしっかり勉強していくのか決断するべきじゃないか。二刀流は終わりだ」と迫った。

 蝶野も現場監督と兼任してリングに上がり続けた経験があるからこそ、団体の取締役を務める大谷の苦労に理解を示す。

 また、大会概要については「40団体近くが参加する。聞いたことがない団体もあると思うが、それだけゼロワンがいろいろな団体と交流してきたということ」と明かし、両国大会開催を機に前座試合の見直しを図るという。

「プロレスのルールを説明する役割がある。業界の底上げのためにもしっかりした前座の試合をやってもらいたいので、見直さないと。そこはアンバサダーとしてブチ込ませてもらう」

 両国大会でも前座試合を充実させる他、蝶野の発案により今月から若手のリーグ戦を開催する。黒く染まったゼロワンがどう変わっていくのか注目だ。