ブシロードが女子プロレス団体「スターダム」買収!新日プロと同一傘下に

2019年10月17日 11時00分

木谷氏とロッシー小川代表

 新日本プロレスの親会社にあたる株式会社ブシロード(橋本義賢社長)が、女子プロレス団体「スターダム」を買収することが明らかになった。17日にも臨時取締役会の承認を経て、正式に発表される見込み。業界盟主の地位を不動のものとしている新日プロと、女子プロ界のトップ団体が同一傘下に入ることで、プロレス界は新たな時代に突入しそうな気配だ。

 複数の関係者の話を総合すると、ブシロードの女子プロ進出が動き始めたのは昨年秋ごろ。同社創設者で新日プロの会長も歴任した木谷高明取締役(59)が強い興味を示し、今年2月に関係者がスターダムのロッシー小川代表(62)と接触を持った。4月に木谷氏と小川代表の会談が実現し、8月には具体的な事業譲渡の話が出来上がっていったという。

 スターダムの事業は今後、ブシロードの子会社でキックボクシングイベント「KNOCK OUT」を運営する「キックスロード」が請け負う。小川代表をはじめとした現体制を引き継ぎつつ、徐々に新体制へ移行していく見込みだ。17日午前に開かれるブシロード臨時取締役会で承認され、午後には正式に発表会見が予定されている。

 ブシロード関係者は「木谷氏はかねて女子プロレスの伸びしろを感じていた」と明かす。世界最大のプロレス団体WWEでは女子選手の地位が向上しており、2016年から「ディーバ」の呼称を廃止し、男子レスラー同様「スーパースター」と呼んでいる。4月のプロレスの祭典「レッスルマニア35」では史上初めて女子の試合がメインイベントで行われた。

 こういった米国マットの流れを受け「『日本にもいずれ、そういう時代が来る。そうなってから後悔したくない』と、女子プロ参入の意向を強めていた。国内ナンバーワンで選手の新陳代謝が進んでいるスターダムに白羽の矢が立ったのは当然の流れ」(同関係者)。

 一方のスターダムは、団体の組織拡大が近年の課題だった。11年の旗揚げから国内女子プロ界の盟主を担い、WWEで活躍するカイリ・セイン(宝城カイリ=31)、紫雷イオ(29)を輩出。現在は岩谷麻優(26)を筆頭にワンダー・オブ・スターダム王者の星輝ありさ(24)、“ビッグダディの三女”林下詩美(21)、木村花(22)ら新世代が台頭。ただ、愛川ゆず季引退興行の13年4月の東京・両国国技館大会を最後に、ビッグマッチを開催できていない。

 団体関係者は「売り上げ自体はイオやカイリがいたころよりも上がっている。ただ小川代表は、個人で続けていく以上は低コストの利益追求になってしまうため限界があると感じていたようだ。長い目で見た場合、ジャンルを普及させスターダムを未来に残すためにはこの形がいいと決断したようだ」と話す。

 旗揚げ10周年の21年に両国再進出を目指しており、すでに20年4月29日の東京・大田区総合体育館大会開催が内定。来年1月からはBS日テレと「TOKYO MX」でのレギュラー番組開始が予定されており、ブシロード体制による準備は着々と進んでいる。

 トレーディングカードゲームを事業の柱とするブシロードは12年に新日プロを子会社化。宣伝広告費の積極投入、動画配信サービスなどのコンテンツ強化、海外市場拡大などで業績を大きく伸ばした。18年度の売り上げは約54億円と、11年1月期の約11億円から約5倍に増えた。現在のスターダムの年間売り上げは約2億円程度とみられるが、木谷氏は近い関係者に「5年で10億円にする」と話し、意気込んでいるという。

 スターダムにとっては飛躍の機会となりそうな今回の買収劇。国内ナンバーワンの男子団体と女子団体が同一傘下となることで、どんな化学反応が起きるのか。今後の動向に注目が集まりそうだ。