ノア27日の神奈川・カルッツかわさき大会で行われた“マット界一の偏屈者”鈴木秀樹(39)と潮崎豪(37)初のシングル対決は30分時間切れ引き分けに終わった。

 左肩負傷から明けたばかりの潮崎は、鈴木の細かく変幻自在なグラウンド技術に開始から圧倒される。左肩へ集中攻撃を浴び続け、10分過ぎからようやく強烈な逆水平チョップを胸板に打ち込むも決定打にならない。

 豪球勝負の潮崎に対して、鈴木は逆に緩急をつけて巧みなペースで攻め込む。左肩攻撃から一転して脚に的を絞るなど、ディフェンスのしようがない攻め口だ。しかし必殺のダブルアームスープレックスを決めるも、潮崎入魂のエルボーで返されてしまう。

 その後、潮崎が豪腕ラリアートを決めるも3カウントは奪えない。鈴木がアームバーから逆十字固め、再度の人間風車を狙ったところでタイムアップのゴングが鳴らされた。

「くやしい。一発勝負だったのに(負傷明けは)理由にならない。これで終わりかもしれないけれど、俺の中では悔いが残った」と潮崎は無念の表情。

 一方の鈴木は独特のケロリとした表情で「勝ってます。状況的に勝ってます」と胸を張った。さらには辛らつな言葉を吐き続けている潮崎に向けて「丸藤(正道)さんや杉浦(貴)さんは大海を知っている。でも潮崎豪は小さい海を移動してきただけ」と厳しい言葉を放つ。

 それでも、これまでに戦ってきた船木誠勝、関本大介、田中将斗らトップ勢の名前を挙げつつ「ここまで手応えを感じたのは4人目ですかね」と最後にようやく偏屈王らしく称賛的な言葉を吐くや、抗争継続に含みを持たせた。

 またノアグローバルジュニアリーグ優勝決定戦は、大激闘の末、Bブロック代表のHAYATA(31)がAブロック代表のタダスケ(33)をへデック(変型ハリケーンラナ)撃破。初優勝を決めた。試合後はGHCジュニア王者の田中稔(46)がリングイン。王座戦を呼びかけられたHAYATAは「次はベルトや!」と応じ、旗揚げ記念大会(8月4日後楽園ホール)での激突が確実となった。