獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。新日本プロレス旗揚げ50周年の幕開けとなる1月4、5日東京ドーム大会直前企画として特別編を5回にわたり連載する。第1回目のテーマは、4日大会のメインIWGP世界ヘビー級王座戦(王者・鷹木信悟 vs 挑戦者・オカダ・カズチカ)とセミのIWGPジュニアヘビー級王座戦(王者・エル・デスペラード vs 挑戦者・高橋ヒロム)の2試合だ。

 【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論・特別編(第1回)】新日本旗揚げ50周年の幕開けとなる東京ドーム大会が近づいてきました。初日の1・4のメインはIWGP世界ヘビー級王座戦。2020年は鷹木選手がプロレス大賞MVPを取りましたよね。ただ、個人的には満を持して出てきたオカダ選手のほうが、上を行ってるんじゃないかと思うんです。

 マネークリップとレインメーカー、この2つの技への自信もそうだし、自分自身に対する自信をひしひしと感じる。鷹木選手も7月に初めて経験したと思うけど、東京ドームのメインイベントという大舞台の経験値も違うし、オカダ選手のアドバンテージだよね。

 もちろんMVPを取ったっていうのは大きな勲章。日本のプロレス界の一番の選手になったわけじゃないですか。それは自信になりますよ。しかもジュニアで入ってきて、3年でここまでってすごい成長ぶりですよ。鷹木選手のスタイルは真っ正面から下手な小細工なしに突っ込んでいくタイプじゃないですか。この勢いを糧にどのくらいの突進力を見せてくれるのは楽しみですよね。

 セミではIWGPジュニアヘビー級王者のエル・デスペラード選手と「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」覇者の高橋ヒロム選手の激突。これは難しいよね~。デスペラード選手はなんと言ってもくせ者ですよ。試合が巧くて反則を絡めてくる。2020年のBOSJ優勝決定戦でマスクを取られて、いろんな腹のなかにあるものがあると思う。対ヒロム選手って意味でね。

 でも、今のヒロム選手には2連覇っていう勢いがある。試合巧者のデスペラード選手か、勢いのヒロム選手か。ヒロム選手は鷹木選手ほど一本調子でガッと行くタイプはないから多少は違ってくると思うけど、ジュニアらしい力技あり、返し技あり、空間を利用した技もありで面白い試合になるんじゃないの?

 BOSJの連覇はタイガー以来。そんなにたつの? って思ったし、優勝回数も僕と金本浩二の3回にすでに並んでいる。まだまだ記録は伸びると思いますよ。そう考えるとヒロム選手かなあ…。BOSJ公式戦では30分引き分けだったし、長期戦にはなるかな。いろいろ手探りの状態の中から手を変え品を変え、ってやってくると思う。あえて言うならヒロム選手が優位だろうけど、紙一重の試合になると思うよ。