新日本プロレス14日の東京・両国国技館大会でIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)に挑戦するSANADA(31)が7日、同王座取りへ強い決意を示した。団体内にまん延する“2冠ブーム”を横目に他のベルトに一切興味を示さないのは、小学校時代から揺るがない「いちずな思い」が根底にあるからだ。

 この日の東京・後楽園ホール大会前に行われた調印式で、SANADAは「これからは俺がプロレス界の希望になって引っ張っていきます」と宣言。オカダとの前哨タッグ戦でも軽快な動きを見せ、チームの勝利に貢献した。

 年内最後のIWGP戦に勝利すれば、来年1月4、5日東京ドーム大会に王者として出場することが確実。年間最大興行を巡ってはG1クライマックス覇者で、IWGP王座挑戦権利証を保持する飯伏幸太(37)が両日でIWGPとIWGPインターコンチネンタル(IC)王座に挑戦するプランを披露。年始から同時戴冠を掲げる内藤哲也(37)に加え、現IC王者のジェイ・ホワイト(26)も2冠を狙う。

 しかしSANADAは「ピンとこないですね。2冠いる?って思います。もしそれを誰かが達成したら、今度は3冠と言い出す人が出てくるんじゃないですか? 俺は一つのものを大事にしたい派なんで」。

 クラシックな技を好むリング上と同様に、歴史あるIWGPを最重要視するからだ。事実、2011年5月のIC王座設立を皮切りに、NEVER無差別級王座、IWGP・USヘビー級王座と新日プロ管轄のシングルベルトが増えて以降、団体内でIWGP戦しか戦っていないのは、SANADAとオカダの2人だけだ。

「他のベルトは考えたことがないですね。IWGPが一番輝いているので。そのベルトを巻いている人間が最重要人物で、主人公になれる。SANADAの時代をつくりたい。そのために一番必要なベルトなので」。小学4年のころにプロレスに心を奪われ、蝶野正洋、武藤敬司がIWGPを巻く姿に憧れた。業界の新たな顔になるためには、この道しかない。

 6月に英国でブリティッシュヘビー級王座に挑戦した件については「試合当日にタイトルマッチと知らされて…。誘われて飲み会に行ったつもりが、実は合コンだったみたいなもの」と“浮気疑惑”を否定。3度目の挑戦で、今度こそ思いを成就させる。