女子プロレス「アイスリボン」は6日、埼玉・蕨市内の事務所で会見を開き、友人レスラーとのトラブルで逮捕された所属レスラーが不処分となったことを発表した。

 事件が起こったのは7月22日。当時、未成年だったアイスリボン所属レスラーと友人レスラー(25)との間にトラブルが発生。所属の当該レスラーが友人レスラーを負傷させたことで逮捕された。会見では、この日に誕生日を迎えて成人になったことから、当該レスラーが所属のつくし(20=本名非公表)であることが公表された。

 佐藤肇社長(53)は「留置および20日間の勾留後、家裁(さいたま家庭裁判所)の方に傷害罪として送致されました。昨日5日に少年審判が行われ、審判結果は不処分ということになりました」と事件後の経緯を説明。被害者側の状況説明と食い違いがあったが、どちらが事実かという認定はされていないという。

「十分な更生が見込まれる」という点から不処分になったものの「弁護士を通じて被害者の方とは連絡を取っているが、なかなか状況が詰まっていない状況もある。司法における判断は不処分となっているが、道義的責任もあり、団体としての処分は検討中」(佐藤社長)という。また事件の詳細については「未成年が起こした事件ということで説明は控えさせていただく」(同社長)と明らかにされなかった。

 黒いスーツ姿で会見に同席したつくしは「被害者の方、被害者の親族の方、関係者の方、プロレス業界の皆さま、アイスリボンのみんな、ファンの方、家族、本当にご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありませんでした。一人の行動が、こんなにもたくさんの方に迷惑をかけてしまいました。犯してしまったことの重大さを意識し、これからのことを考えていきたいと思います」と涙ながらに謝罪した。

 当面はアイスリボンの職員として勤務する予定で「不処分の条件として『これからプロレスを頑張りなさい』と言っていただいたので、その言葉を心に刻んで今後のことを考えていけたらと思います。もう一度プロレスができるのであれば、試合がしたいです」。

 また取締役選手代表の藤本つかさ(34)は「アイスリボンには未成年のレスラーがたくさん在籍しているので、今後は徹底した指導をしていきたい」と再発防止を約束。佐藤社長は「被害者やその周りの皆さま、業界の関係者、ファンの皆さま、お騒がせしてご迷惑をおかけしたことをおわびします」と頭を下げた。