全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(33)が、過去最重量で春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」(9日、大阪で開幕)に臨む。

 史上初となる3冠王者での2度目の制覇がかかる祭典を控え「成し遂げれば伝説ですから。50周年の全日本をさらなる高みに連れていきますよ。僕が歴史をつくることが、何よりも全日本の盛り上がりにつながるので」と小鼻を膨らませた。

 偉業を見据え、ひそかに狙っているのがスタートダッシュだ。スロースターターの自覚がある宮原は、CCでBブロックにエントリー。9日の羆嵐戦と、10日浜松大会での諏訪魔との2戦目が重要だと力説する。ともに体重120キロの大型選手が相手だけに、「いつも初戦に負けて出鼻をくじかれるので、今回はこの2人に必ず勝ちたい。そのために体重も増やしたんです」と明かした。

 2人にパワー負けしない体をつくるため、トレーニングと並行して1日5~6食の食事で肉体改造に成功。100キロだった体重は過去最高となる106キロまで増えたことで「体重を増やして重くならないかって? いやいや、むしろパワーはもちろん、瞬発力も持久力もスター性も上がっています。そう、いうなれば今の僕は『宮原健斗2・0』。過去最高の自分です」と自己陶酔ぶりに拍車がかかる。

 今春はCCのみならず、後楽園ホールが60周年を記念して開催する「還暦祭」(16日)で新日本プロレスの棚橋弘至と越境エースタッグを結成。5月15日にはかねて熱望していた地方での3冠戦を札幌で行う。

「この流れ…、間違いなくプロレスの神様が僕に『もっとスターになれ』って言っているんですよ。還暦祭は僕が全部持っていって、CCは優勝、札幌も勝って全取りでしょ」。マット界きってのナルシストは、有言実行で〝春男〟になる。