【龍魂激論】天龍vs武藤トークバトル 名勝負からnWoブームまで語り尽くした

2019年11月01日 11時00分

天龍(左)と武藤は懐かしの写真を前に激論を繰り広げた

【天龍源一郎vsレジェンド対談 龍魂激論】2015年11月15日に現役を引退したミスタープロレスこと天龍源一郎(69)が、マット界のレジェンドと熱く語り合う新連載「龍魂激論」がスタート! 第1回は、新日本プロレスや全日本プロレスで天才の名をほしいままにした“プロレスリングマスター”武藤敬司(56=W-1)の登場だ。来年2月に迎える古希を前に天龍の鋭い舌鋒は冴え渡り、幾度となく繰り広げられた2人の名勝負、そして空前の「nWoブーム」の“真実”がここに明かされる――。(随時掲載)

 武藤:ご指名ありがとうございます。

 天龍:相変わらず若いねえ。

 武藤:いやいや、もう(12月23日で)57歳になりますよ。

 ――天龍さんのデビューが1976年、武藤選手が84年。全日本と新日本ということもあり、すれ違う時期が長かった

 天龍:闘魂三銃士(武藤、蝶野正洋、橋本真也=故人)が一気に上がってきた時期を覚えてる。背が高くて、従来にないスピーディーな動きをする選手と思っていた。

 武藤:80年代は米国の方が長かったし、ネットもない時代だから全日本の試合を見る機会はなかった。でもジャパンプロレスとUWFが離脱して、うるさい先輩がごっそり消えたのは幸せだった。若者と老人しか残ってないんだから(笑い)。

 天龍:5年は上に行く時間が縮まったね。

 武藤:俺は覚えてないんだけど、船木(誠勝)によると道場で全日本のテレビ中継見ながら「俺、こっちの方が向いてるかな?」って言ったらしいんですよね。

 ――初対面は天龍さんが東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」でMVP、武藤選手が新人賞を獲得した86年度の授賞式のはず

 武藤:大先輩だし、戦うなんて意識はなかった。天龍さんが全日本とSWSを飛び出したから、その後に接点ができたんじゃないかな。

 天龍:長州(力)選手が(新日本の)現場監督になってWAR(92年旗揚げ)にチャンスをくれたからね。(アントニオ)猪木さんをフォールしたのは94年か。もう四半世紀前とはな…。

 ――武藤選手はもうトップの時期では

 武藤:いや、95年10月にUWFインターとの対抗戦で高田(延彦)さんに勝ってからです。ステータスが上がったのは。

 天龍:俺も感動した。あの高田に足4の字固めで勝って、翌日のスポーツ紙は全部1面だった。

 ――翌年9月には神宮球場で天龍さんが高田選手と初対決した

 武藤:実はその試合は見てないんですよ。

 天龍:「俺がやっつけた高田と戦うのか」としか見てなかったな…。

 武藤:いや、俺は1勝1敗ですよ(笑い)。

 ――天龍対グレート・ムタが実現したのが96年10月の大阪府立体育会館だった

 天龍:ムタ戦は入ったなあ(超満員札止め9110人=主催者発表)。

 武藤:毒霧を手で封じ込んで自爆させたり、試合のたびに面白いことを仕掛けてくる。毎回の戦いが勉強になった。

 天龍:大人になったね。当時は「何で俺がこんなおっさんと戦わなくちゃいけないんだ」と言ってたらしいよ。本来なら全日本の四天王と勝負したかっただろうからね。

 武藤:言ってませんよ(笑い)。そういえば、その後「nWoジャパン」が大ブームになったんだけど、まだTシャツのロイヤルティーが確立されてなくて、物販責任者に「叙々苑」で1回焼き肉をごちそうになって終わりですよ。それで蝶野が怒って「TEAM2000」をつくって権利関係をしっかりさせたんですけど。まあ俺は(2002年に)全日本の社長になった時はTシャツのロイヤルティーを10%から3%に戻しましたけどね。

 天龍:鬼だな…。

 ――素顔でのシングルは99年5月福岡国際センターのIWGP戦で実現した

 天龍:「ベストバウトを取る」と公言して取ったから心地よかった。初めてウラカンラナやって、首が詰まったけどな。

 武藤:ご本人を前に言うのも失礼だけど、天龍さんのウラカンラナとかシャイニングはどんくさいんですよ。でもそれが味となってお客さんの胸に響く。しかも全日本で3冠戦やった時は「53歳」なんて技を開発した。独特の間は俺の肌に合った。藤波(辰爾)さんとか長州さんはせっかちだから(笑い)。

 天龍:新日本でIWGPを、全日本で3冠戦を戦い、ましてや武藤選手が全日本の社長になったなんて感慨深いね…。

 武藤:あの時の新日本は居心地悪かったんですよ。猪木さんが格闘技路線に走って、俺は全日本の方がよかった。あと正直言えばジャンボ鶴田さん(故人)と一度戦いたかった。それが唯一の心残りかな。俺は49歳が最後の3冠戦だけど、またベルトを巻きたい欲が出てきましたよ。

 天龍:俺の戦った相手では武藤選手が「うまい」、三沢(光晴)選手(故人)が「上手」。微妙な言葉の違いだけど、この2人は別格だった。俺は65歳で引退したけど、ぜひ超えてほしい。

 武藤:66歳までやりたいですね。年寄りをリスペクトしない世間の空気を吹き飛ばしますよ!

【11・17ドリーとトークバトル】天龍プロジェクトは11月17日に、天龍と元NWA世界ヘビー級王者でPWF会長のドリー・ファンク・ジュニア(78)のトークバトルを東京・目黒区の「Studio CLASKA」で開催する。正午開始。全席指定6000円。