新日本プロレス21日の東京・後楽園ホール大会で引退する怨念坊主・飯塚高史に襲撃され続けてきたテレビ朝日の野上慎平アナウンサーが18日、ラストマッチを前に胸中を語った。

 抗争の始まりは2010年8月。突如襲われた野上アナはその後も試合のたびに被害を受け、ワイシャツを破かれるのが恒例となった。時にはシャワールームで水責めに遭ったこともある。

 宿敵の引退について「あんなにやられ続けたのに、寂しいとはまた違うし、本当に複雑な気持ちになりましたね。まだ全然やれると思っていたので」と戸惑いを隠し切れない。ただ当時を振り返ると「シャツを破かれる時は痛い。恐怖でしゃべろうとしたことが飛んでしまい『あいつは襲われてるだけで実況が下手だな』と周囲に言われるのも嫌でした」とロクな思い出がないという。

 それでも特別な感情があるのは事実だ。「なんだかんだでプロレスにのめり込んだきっかけは飯塚さんなのかなと思います。リングを去る時には自分も放送席に座っていたい。『実況、頑張らないといけないな』と思ったのも飯塚さんに襲われるようになってからですし」。引退試合の実況が実現した場合は、最高級のワイシャツと青義軍Tシャツを持参して会場へ向かうという。

 レスラーとアナウンサーの抗争と言えば大仁田厚と真鍋由アナ(当時)の掛け合いが有名だったが、飯塚は一切話さないため意思疎通がなかった。「かなうなら最後に会話がしたいですよね。何を考えているのか。あくまで自分は伝え手なんで、飯塚さんがどう考えているのか、どう終わるのかをちゃんと伝えたいですけど。でも万が一、最後に目を覚まして真人間に戻っちゃったら…それはそれで泣くと思うんです。しゃべれなくなっちゃうんじゃないかな…」

 果たしてどんな結末を迎えるのか――。