あのセレブの会社に巨額買収の手が…。英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズが、「家庭教師のトライ」を手掛けるトライグループを1000億円程度で買収することが11日分かった。同グループは元女優の二谷友里恵氏(56)が社長を務めている。

 CVCは今春、東芝への買収提案と撤回で名前が出た有力ファンド。トライグループ買収後は、新型コロナウイルス禍で需要が拡大したオンライン教育を充実させ、受講生を囲い込む。同社は非上場だが、CVCは買収後3~4年で上場させる意向とみられる。

 トライは1987年に創業者の平田修氏が事業を始め、90年に株式会社化。歌手の郷ひろみと離婚した二谷氏は2000年に平田氏と再婚し、05年に代表取締役社長に就いた。全国で家庭教師や個別指導塾を展開し、登録する家庭教師の数は20万人を超える。

 家庭教師や学習塾などは少子化で受講者数が減る一方、子供1人当たりに費やす教育費は増えている。コロナ禍で対面授業が難しくなり、オンライン化が進んだ。財務に余裕がなく設備投資に二の足を踏む中小規模の学習塾もある。相対的に資金力があるトライは、主要5科目の習熟度を人工知能(AI)で診断するサービスを展開するなどしている。

 父が二谷英明さん、母は白川由美さん(いずれも故人)と名優の両親の間に生まれ、女優を経て実業家となった二谷氏はいわばセレブ。トライの株主構成などは非公表のようだが、平田氏側が多数を保有しているとみられる。CVCへの株売却益もかなりの金額になりそうだ。

 ツイッターでは二谷氏について「社長だと知らなかった」「超のつく億万長者になるのか」などとつぶやかれている。