SMILE―UP.(旧ジャニーズ事務所、以下スマイル社)の質問の狙いは何のか――。故ジャニー喜多川氏の一連の問題をめぐり、スマイル社が「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(24年に解散)副代表だった石丸志門氏に対する債務不存在確認請求訴訟の公判が11日、さいたま地裁で開かれた。この日は被告人尋問が行われ、同氏が改めてジャニー氏による性加害の詳細を語った。
石丸氏は2024年2月にスマイル社が設置した被害者救済委員会から1800万円の補償額を提示されたが「納得できない」と拒否。スマイル社は同11月に1800万円を超える損害賠償責任はないことの確認を求め提訴していた。
石丸氏は14歳で事務所に入所。オーディションに合格した1週間後に合宿所で被害に遭った。「15人が雑魚寝する部屋に入ってきてジュニアに対して性加害を加えました」と証言した。
その影響で「夜が怖くなり、眠れなくなった。年上の男性とコミュニケーションを取るのが難しくなった」という。営業の仕事をしていた36歳の時にうつ病と診断。一般企業で働くことが難しくなり、現在は生活保護を受給している。
一方で、石丸氏はブログで故ジャニー喜多川氏を肯定的に語っていたことがある。その点について問われると「自分の心を保つためだったと今は理解しています」と述べた。最後に「未来は絶たれ、性被害だけが残った。過去に終わったことではなく、今も私を苦しめている事件だと分かってほしい」と訴えた。
続く原告代理人からの質問では石丸氏の職歴について触れる場面があった。石丸氏はマクドナルド、ガソリンスタンドでアルバイト。その後、シュークリーム販売の本部長、営業職で係長職を務めたという。原告代理人が「営業所でトップレベルの成績だったということですが、1日に何時間ぐらい働いてましたか?」と問うと「1日に12時間ぐらいは働いていました」と答えた。
質問の真意は不明だが、石丸氏の労働実態を知ることで補償額や補償期間を絞る狙いがあるのかもしれない。
裁判長は和解案を提示できるかを検討するとして、10月2日に和解期日を指定し審理を終えた。













