故ジャニー喜多川氏の一連の問題を巡って、SMILE―UP.(旧ジャニーズ事務所、以下スマイル社)が被害者の元「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(24年に解散)副代表だった石丸志門氏に対する債務不存在確認請求訴訟の公判で、石丸氏が求める請求額が22億円から1億2100万円に減額していたことが分かった。本人が8日、明かした。しかも弁護士を付けず、何とAIで対応しているという。11日にさいたま地裁で開かれる口頭弁論を前に現在の心境を語った。
石丸氏は2024年2月、スマイル社が設置した被害者救済委員会から1800万円の補償額を提示された。だが、18億円(当初)を求める同氏は「被害の実態や影響に見合っておらず納得できない」として拒否。調停でも両者の溝は埋まらず、スマイル社は同11月に1800万円を超える損害賠償責任はないことの確認を求め提訴した。
その後、石丸氏の請求額は〝乱高下〟する。
同12月に行われた第1回口頭弁論で、石丸氏は「両者の額の中間値」として1億8000万円に大幅減額。すると裁判所から当初の請求額18億円の内訳を提出するよう求められ、再計算したところ22億円に大幅アップしたのだった。
昨年2月の取材で、石丸氏は「1億8000万円というのは話し合いに乗ってくれるんだったら、そこまで落としてもいいよという話」だったが、交渉が決裂したため満額請求することにしたと宣言していた。
あれから1年半――。
石丸氏のスマイル社への不満は今も変わっていない。
「そもそも僕に裁判を仕掛けてくる必要があったのか。1800万円には根拠がない。救済委員会が決めたことだから『根拠は分からない』の一点張りなんです」
ただ、現在は1億2100万円にまたも大幅減額していることを明かした。しかも弁護士を付けず、AIを活用しているという。
「当初は『法を超えて救済する』という話だったので請求額を積み上げていた。でも、法廷でやり合うことになったので(減額した)。弁護士がいないのでAIを使って書類を作っている。AIが『裁判所は法律、過去の判例に基づいて判断する』と言っているので、その中の最大値です」と説明した。
そもそも石丸氏が莫大な請求額を提示したのも、補償水準を引き上げ、他の被害者の補償額を上げることが目的だった。しかし、あれから時間もたち、被害補償も進んだ。
スマイル社の8月31日付の公式サイトによると、被害者救済委員会に1046人の補償申告があった中、連絡が取れない226人を除く820人のうち、補償内容を通知し、同意が得られた577人に補償金を支払ったと報告されている。
石丸氏のもとには、一部の被害者から「補償水準の引き上げは望んでない」「もう終わったことだから静かにしてくれ」という声が寄せられるようになったという。
「必ずしも期待されているわけじゃないんだなと思った」と石丸氏。
今でも1億2100万円と1800万円では大きな開きがあるが、「歩み寄りがあれば」と和解の余地もあるという。
当時のジャニーズ事務所がジャニー喜多川氏の問題を認めてから3年がった。
石丸氏は「長かった。テレビ局のコンプライアンスとかは強化されたと思いますが、風化してしまったなと思う。あとは僕個人の問題です」と話す。
今後、裁判はどう展開していくのだろうか。












