2022年の安倍晋三元首相(享年67)銃撃事件を題材にした映画製作が進められていることが分かった。あまりにも衝撃的な事件のため、映像化は半ばタブー視されてきたが、極秘プロジェクトとして進行中。安倍氏を銃撃した山上徹也被告(45)役は人気俳優が務めるとの情報もキャッチした。
映画界の有名監督が安倍元首相銃撃事件について「後世に残さなければならない」とばかりに動き出したという。これまでヒット作を飛ばしたことのあるクリエーターだ。
「その監督がメガホンを取ると聞けば、有名どころの俳優が集まります。銃撃事件の映画は今秋にもクランクイン予定。ニュース報道をなぞりながら、事件前後の山上被告に迫り、逮捕、勾留を経て裁判に臨むまでの様子が描かれるといいます。政治色の強いものにはならないとみられます」(制作会社ディレクター)
気になるのはキャスティングだ。山上被告役は人気俳優の菅田将暉(33)が務めるとの情報をキャッチした。映画関係者の話。
「最近、菅田さんが髪を伸ばしているのは、この作品のためと言われています。事件後、伸びっぱなしの山上被告の髪形を再現するため髪を切らないでいるというのです」
1月に求刑通り無期懲役の判決を言い渡された山上被告側は、判決を不服として控訴。映画には、事件を伝えるマスコミ関係者の役もある。
芸能プロ関係者は「報道目線で描かれるそうですが、事件が事件だけに、映画公開後は物議を醸すことが予想されます。製作サイドはそれも承知の上で山上被告役に菅田さんを指名したそう。彼も相当な覚悟を持ってこの作品に臨むはずです」と語る。
22年7月8日、参院選真っただ中で事件は起きた。奈良市内で応援演説をしていた安倍元首相に向けて山上被告が手製の銃を発砲。安倍元首相はその場に倒れた。ドクターヘリで県立病院に搬送されたものの、同日中に息を引き取った。
通算在職日数は3188日で歴代最長。「安倍元首相、死去」の一報は国内にとどまらず、世界各国でトップニュースで伝えられた。
山上被告は銃撃直後、抵抗することなく奈良県警に取り押さえられた。犯行動機として、母が傾倒する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関連性がクローズアップされた。そこから教団の実態が次々と明らかになり、社会問題に発展。殺人罪などに問われた山上被告側は奈良地裁の無期懲役判決を不服として今年2月、大阪高裁に控訴した。同6月には教団の解散命令が最高裁で確定した。
前出映画関係者は「銃撃事件があまりにもセンセーショナルだったので、映画界で映像化はためらわれていた」と語る。
銃撃事件が起きた22年、山上被告をモチーフにして描いた映画「REVOLUTION+1」が公開されたが、ミニシアターが主で全国規模のシネコンではなかった。
邦画界では昨年11月、俳優の吉沢亮が主演した「国宝」(李相日監督)が実写映画で歴代1位の興行収入を記録。今回の映画はこれに迫る可能性があるとみる業界関係者は少なくない。
「実は今回の映画には『国宝』と関係の深い会社も関わっています。それだけ期待値が高いということでしょう」(前出芸能プロ関係者)
菅田の所属事務所に山上被告役の出演オファーについて問い合わせたが、期日までに回答はなかった。
歴史に刻まれた衝撃事件。一体、どのように描かれるか――。
【鈴木エイト氏が見解】
安倍晋三元首相銃撃事件を巡る映画化について、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)報道で最前線に立つジャーナリストの鈴木エイト氏は「事件のどこをどう切り取るか。それによって印象は変わると思う」と指摘する。
エイト氏は、これまでネットフリックスなど外資系会社が映像化に動いていることは「耳にしていた」という。国内配給元による映画化については「陰謀論のたぐいではなく、事件にきちんと向き合うのであればその姿勢は評価したい」と語った。
「山上徹也被告と複数回、面会していて感じることだが、動機は旧統一教会への復讐心だけでなく、複合的。安倍元首相に対する個人的な感情やヒロイズムもある」とも分析。今回の銃撃事件の映画化原作が読売新聞大阪本社取材班の「絶望の凶弾 安倍元首相銃撃事件 山上被告を追った1294日」(中央公論新社)であれば、「事件前後は読み応えはあるが、公判部分は浅いように感じる」と率直な感想を述べた。
その上で、今回の映画化の懸念点には冗談交じりにこう語る。
「最大の懸念点は、私のところに話がなかったことでしょうね」
未曽有の銃撃事件について改めて考える契機となりそうだ。














