「たけし軍団」のグレート義太夫さん(本名・鈴木正之)が7日、都内の自宅マンションで亡くなった。67歳だった。所属事務所TAPが8日、発表した。あこがれだったビートたけし(79)を追い、出会い、慕い、ようやくホメられ――。〝たけし色〟に染まった芸人人生だった。

 TAP社長で芸人のつまみ枝豆の妻、タレントの江口ともみは8日放送のTBS系「ゴゴスマ」で、義太夫さんが自宅マンションの階段で座り込んだ状態で発見されたと説明した。4階に住んでいたが、エレベーターがなかったため生前、階段が「キツい」と話していたという。

 義太夫さんは発見される約1時間前、知人に電話していた。その知人が実際に当人の元を訪ね、声を掛けたが、応答がなかった。搬送先の病院で死亡が確認された。警察は死因を調べている。

 師匠のたけしは公式サイトで「みんな歳とったな。いずれみんなも追いかけるから。また会おうな」と追悼。枝豆もインスタグラムで「本当に先に逝きやがって…早すぎるだろ バカヤロウ」と盟友の死を悼むなど、たけし軍団からコメントが寄せられた。遺族の意向により、葬儀は近親者のみで執り行う予定。

 義太夫さんは30代の時に2型糖尿病と診断され、糖尿病性腎症による腎不全のため透析治療を受けていた。最近は腰痛や関節痛に悩まされ、今月1日にはブログで経皮的血管拡張術(PTA)を受けたことを報告していた。亡くなった7日朝までブログを更新。そのわずか数時間後、帰らぬ人となった。

 義太夫さんにとって、たけしはあこがれの存在だった。

 芸人を志した亜細亜大生時代。たけしの追っかけをするほど熱中し、都内のストリップ劇場「新宿フランス座」で出会った後、たけし軍団入りを果たす。たけしには自身の芸名も付けてもらった。芸人としてだけではなく、その生きざまにも心酔。長年にわたり「殿」と呼び、「自分の人生を変えた人」と敬意を口にしてきた。

 義太夫さんは落語を披露する際、「夏目亭透析」を名乗った。人工透析を始めたところ、たけしから「夏目透析」への改名を提案され、これをもじったわけだ。

 芸人として体を張った。日本テレビ系「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」では足を複雑骨折したこともあったという。当人を知る関係者は「義太夫さんはケガをした後、皆に『すいません』って必死に謝っていました。治療費は最終的にテレビ局が全額払ったけど、義太夫さんは当初、『いいです』って断ったんです。芸人がケガをするのはそれくらい恥ずかしいことだと思っていたわけです」と明かす。

 たけしからホメられたことがあった。2019年の「第19回ビートたけしのエンターテインメント賞」で特別芸能賞を受賞。人工透析を受けている身で立派に芸人生活を続けているという選出理由だった。

たけしと同じステージに上がり笑顔のグレート義太夫さん(2019年)
たけしと同じステージに上がり笑顔のグレート義太夫さん(2019年)

 たけしから授賞式で「透析しながらも落語をやって、ちゃんとお笑いで芸をやって笑わせるというのは大したもので、これからも頑張ってほしい」と称えられ、「殿の弟子になって36年でございます。やっと初めてホメられました」と感極まっていた。