育成選手から7日に支配下契約を結んだばかりの中日2年目左腕、上田洸太朗投手(19=享栄高)が12日のヤクルト戦(神宮)でプロ初登板初先発のマウンドに上がる予定だ。

 9日はバンテリンドームでの先発陣の練習に参加し、ランニングやキャッチボールなどで調整。「大野(雄)さんから『取りあえず平常心で行けよ』と言っていただいた。たぶん、当日はすごく緊張すると思うが、打撃の強いチームだし、もう打たれる打たれないじゃなく、自分のボールを投げられればいい」と意気込んでいる。

 自身初の神宮マウンドのイメージについて「狭いので、ヤクルトはそういった部分では打つ方はたけていると思う。ボールは速くないので低めというのは生命線になってくるので、そこはしっかりやりたい」と気を引き締めている。

 昨年末で球団を退団し、2月から岐阜聖徳学園大学の硬式野球部の監督となったOB・近藤真市氏は、上田にとって中日入団時の担当スカウトで享栄高の大先輩。支配下が決まると、すぐに電話で報告し「ここからがスタートだよ」とエールを送られた。

 近藤氏といえば、1986年にドラフト1位で中日に入団すると、いきなり1年目にNPB史上唯一、一軍公式戦初登板でノーヒットノーランの偉業を達成した。上田は「知っていますが、逆にあんまり意識しないように。それは目指すところではあるが、自分のピッチングはちょっとタイプは別。ゾーンで勝負していくというのがあるので、あまり気にし過ぎずに自分のやれることをやりたい」と気負わずにマウンドに上がり、プロ初登板初勝利を目指す。