DeNAのアレックス・ラミレス監督(45)の周辺が騒がしくなっている。チームの指揮を執って5年目となるが、今季は“奇策”ともいわれる采配をめぐって球団内外から批判が殺到。球団周辺で後任監督候補の名前が早くも取りざたされている。今季限りとなれば三浦大輔二軍監督(46)の就任が順当な流れとなるが、後任候補に元中日監督・落合博満氏(66)の名前も浮上。“オレベイ誕生”が一部から熱望されているという。

 これまでの足跡を見れば、ラミレス監督には評価されるべき点も数多くある。2016年の就任初年度にチームを3位に押し上げ、球団としてCS初出場。翌17年は3位からのCS突破を成し遂げ、19年ぶりの日本シリーズ進出を果たした。就任4季でAクラス入り3回。昨季はチームを22年ぶりの2位に導き「今年こそ優勝!」と球団内の期待値を大きく引き上げた。

 しかし、契約1年延長で迎えた今季は、度重なる奇策の失敗や、リリーフ陣の酷使など不可解な采配のオンパレードで周囲の評価も急落。特に象徴的だったのが、今月1日からの首位・巨人との直接対決だった。当時は5・5ゲーム差と十分に逆転Vを狙える位置にいたが、それまで先発で2連勝中だったピープルズを中4日で中継ぎ起用したかと思えば、大事な3戦目にはセットアッパーのパットンを来日4年目で初の先発起用。これがハマれば“神采配”と称賛されたのかもしれないが、パットンは2回途中9失点と大炎上し、3連戦3連敗で巨人の独走を後押しする最悪の結果となった。

 こうした状況下で球団周辺や球団OBから聞こえてきたのが今季限りでラミレス監督が退任となり、その次を担う後任監督候補の名前だった。大筋の見解では「ハマの番長」こと三浦二軍監督が最有力候補ということだが…。ここへきて意外な人物の名も急浮上。それがあの名将・落合氏だ。

 DeNAの球団内情にも詳しい球界関係者の一人は「三浦監督誕生の前に、もうワンクッション置く意味で大物に指揮官を任せた方がいいという声も少なからずある。それが落合さん」と言い、こう続けた。

「落合さんの名前はこれまでもベイスターズの周辺から『監督候補』として幾度か出てきた。中日監督を退任してからGMとして再復帰する(11年オフ~13年10月までの)間に、球団に近い有力者が落合さんに水面下で接触していたとの話も聞いたことがある。現在の落合さんは中日のGM職を離れて事実上フリー。条件さえ一致すれば実現できるのではないか」

 落合氏に関する話は別の関係者からも聞こえてくる。「(落合氏の)側近のモリシゲさん(森繁和氏)の動向も非常に気になります。2人は昵懇(じっこん)の間柄。以前、落合さんにベイスターズの監督就任説が浮上した際に『モリシゲさんも一緒に行くらしい』という話もあった。今はモリシゲさんもフリーの立場だし、そのモリシゲさんが入閣した上で落合さんが監督を務めるなら、番長(三浦二軍監督)もいい勉強になるのは間違いない」

 ちなみに落合氏は01、02年に横浜の臨時コーチを務めたことがあり、森氏も02、03年に一軍投手コーチを務めている。両者ともベイスターズとまったく縁がないというわけではない。

 DeNA・落合監督誕生となれば「巨人1強」となりつつあるセ・リーグに大きなうねりが生まれることも期待できる。いずれにせよ今オフ、ベイスターズのストーブリーグはかなりバタつきそうな気配だ。