早くも秋風か――。中日は3日の広島戦(ナゴヤドーム)に6―0で快勝し、3カードぶりの勝ち越しを決めた。8年目右腕・福谷がプロ初完投こそ逃したものの、自己最長の8回途中無失点で今季3勝目をマーク。復帰初戦の福田も先制4号2ランを含む2安打3打点と期待に応え、与田監督は「今日から合流してくれた福田の本塁打、あの一発で雰囲気がガラッと良くなった。良い流れを作ってくれました。打った瞬間、ガッツポーズ、よしいったというね、素晴らしい打球だった」とベタ褒めした。

 ところがここへきて本拠地ナゴヤドームの観客数が減っている。上限5000人は他球場と同じ条件なのに、今回の広島3連戦では3609人、3767人、3958人と寂しいものだった。7月10日に有観客試合が解禁されてから同一カード3連戦でいずれも3000人台で推移したのは7月14日からのDeNA3連戦以来で2度目だ。

 ここまでセ・リーグ他球場ではすべて4000人以上を維持しており、あるOBは「悲しいね。他球場はほとんど4900人台でほぼチケットが完売状態なのに、ナゴヤドームだけがもう6度も4000人を切ってしまったなんて…」と沈痛な面持ち。ちなみに5カード連続勝ち越しもあった8月はすべて4000人台だった。今回は2カード前に甲子園で阪神に3連敗、直前の東京ドームでの巨人戦で負け越して自力Vの可能性が消滅した経緯もあり「やっぱりチームが強くないとファンが入らないということなのかな」(同)と寂しそうに話す。

 大野雄が5戦連続完投勝利の球団タイ記録を2試合連続完封で飾った1日は今季最少(3609人)の客入りで、球団関係者も「客席がガラガラでかわいそうだった」と嘆いていた。客を呼び戻すには勝ちまくって、再び自力優勝の可能性を復活させるしかない。