【復刻!ノムさんのボヤ記】ところでプロ野球選手は捕まえたか? ウチのマー君はどうや?

2020年07月12日 09時00分

東京ドームのベンチで談笑する野村克也監督と平井理央フジテレビアナウンサー(当時)

 今年2月11日に亡くなった野村克也さんに感謝と敬意を込め、楽天監督最終年となった伝説の2009年シーズンの秘蔵ボヤキを一挙公開! 「ウチのマー君はどうや?」とエースを売り込んだ人気女子アナとは…。1年間完全密着して抽出した珠玉のボヤキの数々を、当時を懐かしみながらお楽しみください。

【復刻!ノムさんのボヤ記③】

 ◆2009年 4月14日 ロッテ戦(千葉マリン)

(一部スポーツ紙が「ロッテの次期監督に西村徳文ヘッドコーチ」と報道)えらい早いな。まだシーズン始まったばかりやないか。西村ってリーダーの資質はあるのか? 〝無言会〟(ミーティングなどで自分の意見を言わない人)か。パ・リーグもますますダメになるな。で、ここは誰が監督をやるんや? オレの続投? フロントは他の人にさんざんあたっているんじゃないの。(他の人に断られて、仕方なく続投オファーだったら?)いいよ、そんなみじめな目に遭うのは。オレにもささやかなプライドがある。いいよ、オレは東スポの評論家をやるから。

(試合はロッテに2―1でロッテに勝利。田中将大が2試合連続完投勝利)神様、仏様、田中様! 稲尾二世ができたな。よう頑張った。こんな悪条件(雨が降りしきる)中で大したもんだ。今日は常識的に中止でしょう。神様が投げるのに逆らっちゃダメだよ。

(2連敗後に2連勝)西武に連敗したのはしょうがない。チャンピオンチームだからな。(このカード前の西武戦1勝2敗は)善戦だよ。西武に軽く3連勝なんかしてたら無敵だよ。西武は本当にいいチーム。ああいうチームを作りたいね。(テレビカメラに向かって)編成部さん、お願いしますよ。もう(監督として)時間がないか。(10試合で7勝3敗)まだ10試合か、これが100試合ならな…。

 ◆4月15日 ロッテ戦(千葉マリン)

 ここ数年、本ばっかり頼まれる。今度出版するのは「野村主義」というタイトルらしい。もう書くことないのにな。今、本は8000部くらいでトントンらしいね。昨日(出版社の担当者を)冷やかしたんだ。「(そんなに儲かるなら)もっと持ってこい。内緒でこそっとな」と。まあそんなことしたら手錠かけられるか(笑い)。

(この日はロッテの来季監督に与田氏の名前が報じられる)与田ねえ。楽天もあるんじゃない? ウチのフロントはクソ真面目なのが好きだから。そういえば(昨季限りで楽天を退団した紀藤真琴投手コーチの後釜に)「与田さんはどうですか?」なんて話もあったな。

(楽天のフロントは)二言目には「真面目」って言うけど、真面目なだけではこの仕事はできない。こういう仕事は少々荒っぽいやつの方がいい。むしろ不良ぐらいの方がな。一流選手を見てみろ。みんな共通しているのは一癖も二癖もある連中ばっかりや。真面目にやってたって勝負の世界は勝てない。騙し合いだからな。基本的に勝負事は騙し合い、駆け引き。正攻法ばかりじゃ勝てない。オレ? オレは劣等生の劣等生。不真面目の劣等生だよ。

(試合はロッテに1―7で敗戦。先発・朝井秀樹が5回途中5失点KO)何も言うことないわ。試合前から覚悟してたわ。朝井さんだからな。せめて3回くらいまではピシャッといってくれよと思ったが…。朝井は典型的なマイナス思考。コースが甘くなるんじゃないか、狙われるんじゃないかと放る前から気にしている。ピッチャーの性格じゃない。まだまだ首位にいられるチームじゃないわ。春の珍事。(首位陥落は)時間の問題でしょう。こっちもマイナス思考になっちゃうよ。

 ◆4月16日 ロッテ戦(千葉マリン)

(イチローが3085安打の日本記録に並んだが)そんなの張本に聞けよ。

(レッドソックス・松坂大輔の故障者リスト入りについて。日本にいるときから)キャッチボールの仕方が気に食わない。おかしな投げ方をするよな。そういうのが出るんじゃないの、若くて力があるうちはいいけど。コントロールの悪さとかにも関係あるんじゃないか。キャッチボールをいい加減にやっちゃダメ。大事にしないと。

(再びロッテの監督問題に触れ)新聞に西村って出たら、ギャオス(元ヤクルトの内藤尚行氏)がゴマすりに行っとったわ。もうミエミエだよ。(オレが)来季横浜の監督ってどこかの雑誌に載ったらしいな。そしたらある選手から「よろしくお願いします」ってウチに電話があったらしい。(交流戦で)横浜行ったら(みんなあいさつに来て)忙しいかな。(そのときは)大矢(明彦=当時の横浜監督)の顔を見にくいな。

 ◆4月18日 オリックス戦(東京ドーム)

(当時フジテレビアナウンサーだった平井理央キャスターが、楽天ベンチにあいさつに訪れた) 

 野村監督 あれ、今日は「すぽると」(当時のスポーツ番組)休みじゃないの?

 平井アナ よくご存知ですね。そこまで知っている方は少ないんですよ。

 野村監督 ところでプロ野球選手は捕まえたか? 野球選手と女子アナは定番やろ。ウチのマー君はどうや?

 平井アナ 私の方が年上ですから。

 野村監督 いくつ上や。6つか。それはちょっと厳しいかな。

 平井アナ ぜひ、いい人いたら紹介して下さい。

 野村監督 結婚相手だけは自分で見つけた方がいいよ。

 平井アナ では逆に監督が考える結婚相手に求めるもの。女性から男性にですが、聞かせて下さい。

 野村監督 それは経済力でしょ! 惚れたはれたなんてのは一瞬のもの。それよりその後が大事になってくる。しかし、男に貞操観念はないからね。仕事できる男ほど、よく遊ぶ。これは覚悟しておかないと。何しようと心は私のものよ、ぐらい奥さんはどっしり構えておいた方がいい。

 平井アナ そういったお考えは沙知代夫人もご存知なんでしょうか。

 野村監督 …。どうだろうな、知ってるかどうか知らんが、何も言わんな。

 ◆4月19日 オリックス戦

(試合は0―15で大敗し首位陥落)上出来でしょ。ただ優勝を狙えるかといったら神がかり的な展開にならないと。でも冷静に考えてもピッチャーの数が足りない。岩隈とマー君だけじゃあしんどい。