巨人・阿部二軍監督の「期待できる若手いない」発言に異議アリ!

2019年12月25日 11時00分

原監督(右)の後任は阿部監督?

【赤ペン!!・赤坂英一】巨人・阿部二軍監督が就任以来、精力的な活動を展開中だ。ドミニカ共和国へ新外国人の視察に行き、秋季キャンプでは二軍の若手を鍛え、来季はジャイアンツ球場で母校・中央大と二軍の交流戦を行うと発表。すっかり今オフの主役になっている。

 最近では、原監督も事あるごとに「今後は慎之助を盛り立てていこう」と周囲の関係者に話しているという。チーム内では早くも「この雰囲気だと原さんの後任として阿部監督が誕生する日も近いぞ」ともっぱらだ。

 巨人が阿部二軍監督に指導者修業をさせ、次期監督候補として売り出していることは大変結構である。が、気になる点も少なくない。例えば就任早々「期待できる若手はいない。それほどレベルが低いと(選手に)わかってほしい」と、公の場で発言していたことだ。

 巨人のファームの選手のレベルは確かに低い。私も視察している他球団の編成担当に「層の厚さでは広島やソフトバンクが上。面白い素材もヤクルトやDeNAのほうが多い」という声を聞く。だが、巨人のファームのコーチ陣も連日熱心に指導しているのだ。未熟な選手が少しずつでも力をつけ「来年もっと頑張ればチャンスがあるかもしれないぞ」と励ましている矢先、新任の二軍監督に「期待できない」と言われたら、たまったものではないだろう。

 ファームの関係者からはこんな声も聞かれた。「阿部は現役時代、二軍でプレーする機会がほとんどなかった。いきなり今の若手を見て、レベルが低いと感じるのも無理はない。でも、そういう選手を一人でも多く一軍へ上げるのがファームの仕事なんです。FA選手や外国人にはかなわないとわかっていてもね」

 もっと言えば、いまはそんな若手を厳しく鍛えればいい、という時代でもない。体罰を与えるのは論外としても、きつい言葉を浴びせるだけでもパワハラと批判される。

 実際、最近はファームのコーチの怒鳴り声を「あまりにひどかった」と見ていたファンが問題視。球団に非難のメールが寄せられたため、マネジャーがコーチに注意したケースもある。巨人はそれでなくても、広島などに比べると、若手を追い込むような教え方を忌避する傾向が強い。

 こうした状況で、どれだけ一軍で役に立つ選手を育てられるのか。阿部二軍監督は意外に難しい立場に置かれている。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。毎週金曜朝8時、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」出演中。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」(講談社)などノンフィクション増補改訂版が電子書籍で発売中。「失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。ほかに「すごい!広島カープ」(PHP文庫)など。最新刊は構成を務めた達川光男氏の著書「広島力」(講談社)。日本文藝家協会会員。

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