メジャーを中継する米スポーツ局バリー・スポーツ(電子版)は19日(日本時間20日)にエンゼルスの大谷翔平投手(28)とヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)とのMVP論争に一石を投じた。「アーロン・ジャッジが全部の本塁打を打とうとも、大谷の二刀流価値に触れることはできない」との見出しで大谷を後押しした。

 ジャッジは18日(同19日)のブルワーズ戦で、58、59号を連発。ロジャー・マリス(ヤンキース)が1961年にマークした61本塁打のア・リーグ記録にあと2本に迫り、打率3割1分6厘1毛で、リーグトップに6毛差と肉薄し、3冠王も視野に入る。

 同電子版は「ジャッジは別世界の選手、でも大谷は2D(アニメーション)世界の選手」と独特な表現。総合的に分析するとジャッジがMVPを獲得する可能性の方が高いと伝えた上で、米メディアが引き合いに出す「WAR」ではア・リーグMVPを判断することはできないと指摘した。

「(米データサイトの)ベースボール・レファレンス、ファングラフス、ベースボール・プロスペクタスの、どのサイトでもWARはジャッジが大谷を上回っているが、ア・リーグMVPを決めるにあたって、WARは『全く意味がない数字だ』と答えられる」

 WAR(そのポジションの「代替可能選手」と比較してどれだけ勝利に貢献したかを表す指標)はそもそも、他に代わりの選手がいることを想定したスタッツ。現在、たった一人の二刀流である大谷には、代替可能選手がいないため、DHと投手と別々で計算がされている。

 同電子版は「例えば、ジャッジのパフォーマンスが10勝分なら、(ホワイトソックスの外野手)A・J・ポロックは1勝分の価値がある。(かつて二刀流だった)マイケル・ロレンゼンには申し訳ないけど、大谷のような二刀流は大谷しかいないから、大谷には使えない指標なのだ」と指摘する。大谷に限り、公平性を欠くというわけだ。

 その上で「ジャッジは大谷より20~40%くらい良い打撃シーズンを過ごしているのは間違いなく、おそらくMVPに選ばれるだろう。しかし、ジャッジが投球ができない限り、翔平の1人リーグ(1人しかいない二刀流リーグ)には追い付けないのだ」と断言した。

 唯一無二の二刀流を投票者はどう評価するのか。どちらが受賞を逃しても後年、「何でこの成績でMVPじゃないの」と議論になるだろう。難しい選択だ。