第104回全国高校野球選手権大会が6日、甲子園球場で開幕した。当初の予定で午前9時開始だった開会式は天候が不安定なため30分遅れで行われた。

 新型コロナウイルスの陽性者が出ている浜田(島根)、帝京五(愛媛)、有田工(佐賀)、九州学院(熊本)、県岐阜商、九州国際大付(福岡)の6校は欠席。当初はメンバー全員が参加することになっていたが、複数の代表校に集団感染が発生している現状を踏まえて代表各校の主将のみが場内を一周した。

 2年連続20回目の出場を果たした横浜(神奈川)の玉城陽希主将(3年)が選手宣誓を務めた。壇上に立つと「宣誓! 今年は野球伝来150年の節目に当たります。この記念すべき年に、聖地・甲子園球場で野球ができる喜びに今、満ちあふれています。ただ、今現在収束しないコロナウイルス感染症の予防に最大限努め、日々の生活を送っています。これまでケガで思うように野球ができず、グラウンドにさえ立てない時期もありました。また、チームをどうまとめていくかと悩むこともありました」と力強い言葉を述べ、こう続けた。

「これらの苦しい時期を乗り越えることができたのは、ほかでもない、ここに甲子園があったからです。そして、指導者の方々、チームの仲間、家族との強い絆があったからだと確信しています。だからこそ、結束力のある野球で恩返ししたい。一球一球に全力を注ぎ、一投一打に思いを乗せ、高校生らしく堂々と、はつらつと、そして、感謝と感動を、高校野球の新たな歴史に名を刻めるように全身全霊でプレーをし、最高の夏にすることを誓います」

 はつらつとした声が場内に響き渡り、3年ぶりに一般客を迎えたスタンドから大きな拍手が響き渡った。

 宣誓を終えた玉城主将は「凄い大役を任されたが、責任感を感じながら宿舎でも練習をしてきた。終わった時はホッとした。たくさんの拍手をいただいて感謝の気持ち。大観衆の中で勝ちたいという気持ちが一気にこみ上げてきた」と目を輝かせ、振り返った。

 横浜は大会第4日(6日)の第1試合で三重(三重)と対戦する。