接戦ながら「優勝候補」に恥じないゲームだった。第94回選抜高校野球大会(甲子園)第1日の19日、第3試合に登場した九州国際大付(福岡)はクラーク記念国際(北海道)に延長10回の熱戦の末、3―2のサヨナラ勝ち。昨秋の明治神宮大会1回戦の「再戦」となったカードは、互いの手の内を知り尽くすチーム同士らしい試合展開だった。

 両軍とも組み合わせが決まってから研究を重ねてきた。互いに弱点を突き、長所を消し合う戦い。「強打」と評判の九国打線も7安打に封じられた。ロースコアでクラーク善戦の展開。それでも中盤以降、九国に負ける気配はなかった。

 九国のエース左腕・香西一希投手(3年)は緩急自在に打たせて取る投球が身上。序盤1回と3回に1点ずつを失ったが、4回以降は一人の走者も許さない完璧な内容。4回は6球、5回は3球で三者凡退に斬った。抜群のリズムで、攻撃陣にいつスイッチが入ってもおかしくなかった。

 西武でヘッドコーチの経験もある楠城徹監督(71)はこう語る。「打線は水物。いつでも頼りになるのは守り。香西は打たせて取る投手なので、守りを鍛えないといけないと思いました」と、昨秋からのチーム作りを振り返る。この日もアウトの半分以上が内野ゴロ。もちろん無失策で野手陣もエースと指揮官の期待に応えた。香西もまた無四球で4安打完投。打線の援護が遅くなったことにも左腕はこう言って笑った。「いつもいっぱい点を取ってもらって助けてもらってますので、ロースコアの試合は自分がしっかり踏ん張るという気持ちで投げていました。最後は(サヨナラ犠飛を放った)佐倉がよく決めてくれました」。

 無四球、無失策で飾った聖地11年ぶりの勝利。出場校中最多18本塁打の「強打」が前面に押し出されがちな九州王者だが、バッテリー中心の守備力が優勝候補たる大きな理由だ。