第94回選抜高校野球(3月18日開幕・甲子園)の出場32校が29日に決まったが、東海地区の〝サプライズ選出〟に球界内外から疑問の声が鳴り止まない。

 東海地区から選ばれたのは、昨秋東海大会優勝の日大三島(静岡)と同大会ベスト4の大垣日大(岐阜)の2校。同じ東海大会で準優勝だった聖隷クリストファー(静岡)の選出がほぼ確実とみられ、同校は事前に数多くのメディア取材も受けていた。ところがフタを明けてみたところ選考委員会による検討の結果、選ばれたのは東海大会準決勝で優勝チーム・日大三島に敗れた大垣日大だった。

 この日のオンライン会見で東海地区の選考委員は選出理由について「個人の力量に勝る大垣日大か、粘り強さの聖隷クリストファーかで賛否が分かれましたが、投打に勝る大垣日大を推薦校とします」と説明したものの、ネット上では「まるで意味が分からない」「これはさすがに聖隷の選手達が可哀そう過ぎる。高野連の方々の気に入る戦いしないと選ばれないなんて」などと批判的なコメントが殺到し〝炎上状態〟。球界周辺からは「静岡から2校選ばれることを避けたのではないか」と邪推する向きも出ているが、高野連関係者は強く否定している。

 聖隷クリストファーは朗報が舞い込めば、春夏通じて初の聖地出場となるはずだった。同日午後3時半過ぎに「落選」を県高野連側から知らされた校長でもある上村敏正監督(64)は「間違いなく選ばれるんじゃないかと思って待っていたんですが、残念ながら力不足だったのかなと。この悔しさを忘れないで、これを生かして、もう一回夏頑張ろう」と選手たちに呼びかけ、努めて前を向いていた。