【泌尿器科医・高橋亮 シモの話】性病かもしれない…と思って病院を受診しようとした時に、おそらく皆さんの多くは「性病科」というキーワードでインターネットを用いて医療機関を検索するのではないでしょうか? しかしながら、それはあまりオススメではありません。

 なぜかというと、実は現在、性病科を名乗ることはできないのです。これは平成20年ごろに法律が変わり、性病科や肛門科などの名前がNGとなりました。医師会のホームページなどには出ていましたが、あまりニュースにもならなかったこともあり、一般の方はもちろん、医療関係者でも知らない方が多いのです。

「いやそんなわけがない、ウチの近くには性病科のクリニックがある」という方もいらっしゃるかもしれません。これには例外があり、今まで性病科を名乗っていた医療機関はそのまま名乗っていいのです。よって、「性病科」というキーワードで検索をかけると、昔から性病科を名乗っていた数少ないクリニックと、多くの保険のきかない自由診療のクリニックばかりが出てくることになります。

 自由診療(自費診療)の性病専門クリニックの診療内容が悪いということは決してないのですが、健康保険適用で治療を受けた場合と比べて、何倍も支払う金額が高くなってしまいます。

 例えば性器クラミジアであれば、診察料・検査・投薬を含めても健康保険の適用医療機関で診療を受ければ約3000円ですが、これが自費となると2万~3万円ぐらいかかってしまいます(私が見たことがある最高金額は8万円!)。基本的に行われる検査や使う薬は保険診療も自費診療も変わりないので、保険を使って治療を行った方がいいのではないでしょうか。

 たとえ風俗に行って性病をうつされたとしても健康保険が使えますので、きちんと治療を受ければいいと思います。放置してしまい、他人にうつしてしまう方が良くありません。

 ☆たかはし・りょう 神奈川県出身。2003年日本医科大学卒業。日本泌尿器科学会指導医・専門医。日本医科大学付属病院嘱託医。ED、早漏、AGAなどをはじめ、前立腺がんなど泌尿器科にまつわる疾患全般を扱う動坂下泌尿器科クリニック(東京・文京区)院長。