テニスの全仏オープン(パリ)棄権とうつ告白で、世界中の注目を集める大坂なおみ(23=日清食品)について、英国メディアはウィンブルドン選手権(28日開幕)に出場した場合でも、会見免除などの特別扱いはないと報じている。

 英紙「デーリー・メール」は「大坂なおみは、ウィンブルドンで特別扱いを受けず、メディア義務を果たさなければならないだろう」と論じた。棄権表明後に4大大会が発表した声明について「選手のメディア要件を改善すると誓っているが、これは大坂のメンタルヘルスとの闘争のための特別な扱いではないことを強調している」と指摘。大会出場の可能性は減少しつつも、出場した場合は「大坂だけ会見免除などの特別措置はない」と記した。

 また英紙「タイムズ」も「4大大会の声明は、大坂だけでなく、すべての選手に適用されるもので、大坂を特別扱いをしないことを強調している」と指摘。オーストラリア紙「オーストラリアン」はタイムズの記事に「ウィンブルドンは大坂を特別扱いはしない」と見出しを付け報じている。

 4大大会は共同声明で大坂について「コートから離れている間に、可能な限りのサポートと支援を提供したいと思います」と発表。一方で改革は「選手たちのウェルビーイング(健康で良好な状態)は常にグランドスラムの優先事項だが、さらなる行動を通じて選手のメンタルヘルスとウェルビーイングを推進するつもりだ」とあくまで全選手らが対象。「順位や地位に関係なく、公平な競争条件を維持するという視点で、変化は行われるべき」と、一部選手だけが優遇されることは否定している。

 一時休養を宣言している大坂のウィンブルドン出場は明らかになっていないが、4大大会側の対応に注目が集まっている。