トランプ米大統領が7日、総合格闘技団体UFCのダナ・ホワイト最高経営責任者(CEO=57)に、ホワイトハウス報道官への就任を打診したと発表した。米CNNなどが報じた。民主党との政治闘争を格闘技の興行に見立て、自分が主役のショーに変えようとしているのか…。
トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「偉大なるダナ・ホワイト、激しい闘志を持つファイターであり戦士である彼に、報道官の職を打診した」と投稿。さらに、ハビブ・ヌルマゴメドフらUFCのスター選手6人を補佐役として連れてくるよう求め「狂った左派からわれわれを守るためには、こうした人々が必要だ。ダナ、どうか引き受けてくれ!」と呼びかけた。
これに対し、ロンドンに滞在していたホワイト氏は7日、「今すぐワシントンに飛ぶところだ」と述べ、9日にホワイトハウスでトランプ氏と会談することを認めた。「その後には、もっと話せることがあるだろう」と意味深に語ったが、就任を受諾するかは明言しなかった。
さらにホワイト氏は自身のインスタグラムに、ホワイトハウスの記者会見場の演壇に立つ自身のAI生成画像を投稿。「次の章へ」と書き込み、臆測を呼んでいる。
一方、CNNは事情に詳しい関係者の話として、ホワイト氏がすでに就任要請を断ったと報道。ホワイトハウスの補佐官からは、トランプ氏の発言は冗談だったとの説明も出ており、本気の人事なのかは不透明だ。
そもそもトランプ氏と格闘技界の関係は深い。1988年と89年には、自身が所有する施設が米プロレス団体WWEの前身WWFの祭典「レッスルマニア」の会場となった。2007年にはWWEの当時のビンス・マクマホン会長と「億万長者対決」を行った。互いに代理レスラーを立て、負けた側が丸刈りにされるという試合で、トランプ陣営が勝利。トランプ氏はマクマホン氏の頭をバリカンで刈り上げた。13年にはWWE殿堂入りも果たした。
UFCとの関係も古い。01年には自身のカジノホテルでUFC大会を開催。当時、過激な格闘技として敬遠されていたUFCを支援し、ホワイト氏との親交が始まった。ホワイト氏は16年以降、トランプ氏の大統領選を積極的に支援。今年6月にはホワイトハウスの南庭でUFC大会が開催された。
今回の就任要請が本気なのか、単なる冗談なのかを巡り、米メディアも真意を測りかねている。米政治ニュースサイト「アクシオス」は、中間選挙で共和党が大敗し、民主党による政権追及が強まる中、トランプ氏が格闘家軍団を必要としているのかと皮肉った。また、米紙アリゾナ・リパブリックは「冗談なら笑えない。本気なら報道官という仕事を冗談にしている」と痛烈に批判した。
米国事情通は「トランプ氏は中間選挙で民主党にKO負けを喫し、議会の主導権を失いました。民主党がトランプ一族の蓄財疑惑などに関する調査を準備する中、今回の〝パフォーマンス〟は、徹底抗戦するとの意思の比喩なのかもしれません」と指摘した。
レームダック化は避けられるのか。












