中国・重慶市の食堂で、母親が娘を連れて来店し、6元(約142円)のモヤシ炒め1皿だけを注文して白飯を7杯も食べた。これを見た女性店主が取った意外な行動が、中国のネット上で美談として話題になっている。香港メディア「香港01」などが7日、報じた。
出来事があったのは4日。母娘は食堂に入ると、長い間注文をためらった末、店で最も安い6元のモヤシ炒めを1皿だけ注文した。
料理が運ばれてくると、母親はモヤシの大部分を娘に食べさせ、自分は皿の底に残った塩気のある汁をおかずに白飯を食べ始めた。何度もおかわりを繰り返し、なんと7杯を平らげ、店の炊飯器を空っぽにしてしまったという。
食事を終えた母親は、料理代の6元より2元多い8元(約190円)を自ら支払った。さらに、残ったモヤシを持ち帰れないかと小声で尋ね、「得をしようとしているわけではなく、食べ物を無駄にしたくないだけです」と説明した。
日本なら、モヤシ1皿で白飯を7杯も食べれば、店側が困惑しても不思議ではない。しかし、この食堂の女性店主、英姐(インジエ)さんは違った。母娘が経済的に困窮していると察し、そっと救いの手を差し伸べたのだ。
英姐さんは厨房の料理人に指示して、温かい料理を2品追加で作らせた。そして、料理を詰めた黒いビニール袋に現金300元(約7120円)を忍ばせ、「困ったことがあれば、また店に来てください」と書いたメモを添えた。
母親に袋を渡す際には、恥ずかしい思いをさせないよう、「厨房で余分に作ってしまった料理です。置いておいても無駄になるので」と説明した。
ところが、母親は袋の中の現金に気づくと、「いえ、結構です。自分で何とか乗り越えられます」と受け取りを拒否。しかし、英姐さんは譲らず、母親を店の入り口まで見送った。母親は感情を抑えきれずに涙を流し、英姐さんも目を潤ませたという。
英姐さん自身、かつて投資に失敗して大金を失い、生活に苦しんだ経験があった。「助けられるなら、少しでも助けたい」と考えたという。
店内の防犯カメラ映像がネット上で拡散されると、「最高の善良さ」「普通の人が生きていくのは本当に大変だ」と称賛の声が続出。一方、「やらせ撮影ではないか」と疑う声も上がったが、「疑う人たちは人間の本性は悪だと考えている」と反論するネットユーザーもいた。












