スペイン1部レアル・マドリードの下部組織で育ったMF中井卓大(23=今治)が〝J2の壁〟に直面している。Jリーグ初挑戦となった今季、序盤こそ出場機会があったが監督交代を機に状況が一変。ベンチ外が続く中、元日本代表MF前園真聖氏(52=本紙評論家)が緊急アドバイスだ。

 中井はJ2開幕戦のスタメンでJデビューを果たすと、主に守備的MFとして7試合連続でスタメン出場。しかしチームの成績が伸び悩むと、9月20日にスペイン人のアベル・モウレロ監督が解任され、ヘッドコーチから昇格して久保山由清監督が就任した。

 この直後から6試合連続出場なしで、その間のベンチ入りはわずか1試合だ。スペイン人指揮官はボールを保持し、試合をコントロールするサッカーを志向し、中井の技術を生かしてきた。一方、久保山監督は攻守にハードワークするスタイルを目指し、中井の長所を生かしにくくなってしまったのだ。

 サッカー界ではよくある光景が繰り返され、前園氏は「監督交代で、いわゆるボランチ的なポジションで守備を重視するなど求められるプレーが変わり、違う選手の選択になったのだと思います。当然勝てていないと戦術的に変えないといけませんし、そうなった時にやっぱり選手は替わってきます」と分析する。

 このまま埋もれてしまっては、今後のキャリアにも影響が出かねないが、元日本代表MFは成長のチャンスと捉える。「仮に中盤を省略されるのであれば、フィジカル的なところでセカンドボールを拾えたりとか、球際で奪えないといけません。ボールをつなぐポゼッションサッカーではなくても、自分をどういうふうに表現していくかを見つけることが、これから大事になってきます」

 今のチームに対応できるようになれば、今後のキャリアにもプラスだろう。前園氏は「監督が交代したとしても、ずっと出続けるぐらいの選手であってほしいので、これからどうなるか見ていきたいと思います」と期待を込めた。かつて「天才」と評された男は苦境をどう脱出していくのか。