かつての神童が日本でブレークを目指す。スペイン1部の名門レアル・マドリードの下部組織で育ったMF中井卓大(22)が、2026―27年シーズンからJ2今治で自身初のJリーグ挑戦をスタートさせた。近年はスペインの下位カテゴリーでのプレーを余儀なくされていたが、Jリーグでキャリアを再構築できるのか。元日本代表MFの前園真聖氏(52=本紙評論家)が、1年目の〝ノルマ〟を設定した。

 中井は9歳でRマドリードの下部組織に加入すると、順調に成長。スーパースターぞろいのトップチームの練習に参加したこともある。2022―23年シーズンにはBチームへ昇格したが、トップチームにはたどり着けなかった。近年はスペイン3~5部をウロウロ。昨夏にRマドリードとの契約が満了になると、昨季は同5部レガネスBでプレーしていた。

 厳しい状況を打破すべく、新たなシーズンは母国での再出発を決断。元日本代表監督の岡田武史氏が会長を務める今治に加入し、J2開幕から9日のいわき戦、15日の大宮戦で、ともに守備的MFとして先発するなど出場機会を得た。チームは開幕2連敗スタートとなったが、随所に技術の高さを披露している。

 前園氏は「彼は幼少期から注目されていますけど、ほとんどの人が90分フルにどういうプレーをするのか見ていなかったでしょう。シーズンを通してどのようなパフォーマンスをしていくか注目しています。まだ22歳ですし、ここから自分をアピールして代表に絡むような選手になっていく、そういうキャリアも一つの形だと思います。期待したいですね」と熱視線を送った。

 では、J2というカテゴリーでの1年目は、どのようなレベルでのプレーが求められるのか。今治でも守備的MFが主戦場となっていくことから「得点を取るポジションではないので(得点やアシストの)数字で評価するのは難しいですけど、やっぱり常にレギュラーで出場し、絶対的に試合をコントロールして、今治の中心にいるようにならないといけません。それをシーズン通してやっていくことですね」と力説した。

 ここ数シーズンの稼働状況からすると、やや厳しい基準とも言えるが、前園氏は「彼は大柄(身長183センチ)ですし、足元もうまいです。視野の広さを生かした配球もできると思います。22歳という年齢を考えると、この1年で一気に伸びる可能性はあります」。底知れぬポテンシャルを感じるからこそ期待も大きいわけだ。

 かつて神童と呼ばれた男は、潜在能力をピッチ上で表現できるのか。Jリーグでのプレーに注目だ。